おのぼりさん漫遊記リベンジ
前編 後編
ういっす。
東京から帰ってきたんで、去年みたいに紀行文を書いてみようと思います。というか、なんかここで思い出話をしないといけない感じなんですよ、私的には。だってさー、歩いてる間中、ここに書くことずっと推敲してるような状況で(まあ大半は何考えたんだか覚えてないけどな)、そんな「私は夏コミにネタ探しにやってきたのか?」とたまに思うほどのことになってしまってたら書かんわけにはいかんだろう。
ということでしばし付き合ってくれ。
ちなみになんか自分で書きながら「新井素子っぽい文体になりそう」と思ってるんで、気付いても無視してください。今ちょうど「チグリスとユーフラテス」読んでるんで影響されてるらしい。さすが、私の人格形成の基盤な作家だけのことはある。────っていうかそんなんじゃ駄目じゃんよ!
で。
暑い中、夏コミの会場まで来て本買ってくれた方々、ありがとうございました。
このページを見てる見てないはわかんないですが、本当にありがとうございます。お望みに叶う本だったかどうかはわかりませんが(むしろどうも望まれていないフシがあるが)それが今の私にできることだったんで許してください。
という話と裏腹に、おかげさまで今回の新刊(ゾンビ屋含む)、完売しました。マジで。すげー。
いやなんか持ち込んでる数が情けないほど少ないので威張れるほどのものでもないんですがね。コピー誌を家から持ち運んでいける数ぐらいだしな。
しかしこれでも昨年から考えればかなりの快挙なんすよ。売れ残ってたトーマス本もほぼ捌けて、来年も当選したら再版しようかどうか迷ってるところです。再版するなら改訂して印刷屋に出そうか・・・と画策もしてますが多分私のことだからやっぱコピー誌に落ち着くだろうことよ。ええもう。なんかご意見あったら聞かせてください。何もないですか。そうか。
とゆーことで、買いに来てくれた人、アンケート答えてくれた人、そいから差し入れくれたすごい人とかみんなありがとう!私は感動したよ!あっはっは。
関係ないけど「と学会」の本買えたんで夏コミ行ってよかったです。
今から読みます。
さて以下から東京漫遊記だ。
もちろん広島から東京までえっちらおっちら行かなきゃならんのだが、「1人で飛行機に乗るのが緊張するっていうか空港から先どうしていいかわからんなる」というなんだか自分でも笑える理由で交通機関を新幹線にしてるんですわ。東京駅からホテルまでの道のりを覚えた感じで今さら違うとこに泊まると脳内で構成された地図が勿体無いじゃないか。
で今回のプチ観光の目的は2つあった。
行く前から一応計画しとかないと、私絶対時間持て余すから計画女として私の中で有名です。
一つは東京タワーに行くこと。おのぼりさんチックで素敵だろ。
んで二つ目は目黒の寄生虫館へ行くこと。
昨年も行こうかと思ったんだけど、場所を確認してなかったから目黒かどうかって確信もなくて結局渋谷に行くことにしたんだが今回は違うよ?下調べばっちりっすよ?地図とか路線図とか調べて大ハッスルですわ。
────寄生虫館のことを知ったのはいつになるかな。
多分、さくらももこの本(実際には別のペンネームで出版されたけど)で「幕の内弁当」とかそういうタイトルのがあって、そこで紹介されていたんじゃないかと思う。虫は確かに嫌いだが、そういう虫とはまた一線を画す「虫」だろう、これって。それに別に生きてる虫がはいずってるわけでなく結局のところホルマリン漬けみたいな標本が並べてあるだけみたいだし、なんか面白そうじゃないか?
しかも様々なグッズも売っていると聞き及ぶ。
欲しいじゃないか(笑)。
だから1日目の昼から夕方にかけて寄生虫館へ行きました。
目黒から地図を頼りに「これであってんのか?」という疑念にかられつつ汗だくだくで行きましたよ。
結論から言えば、期待していたよりもかなりしょぼいです。
なのにやたらカップルがいて、他にも来館者がいて、大人気です。勉強のために来てるとわかる人は1人で、なんか真剣にノート取ってましたが。
学術目的で作られたここは、5階建てぐらいだけど2階までが一般公開されていてその中は狭い。広いとはまずいえない。3階より上に文献とか収められているのかもしれないが、とりあえず広いところではなかった。入館料とらないというところが好感度抜群なのでしょぼいけれど不満には思わなかった要因かもしれない。
単体だけ見せられるとなんなのかわからない、小さく白い糸状のものが入っているケースが陳列されている。寄生虫と言われなければ「糸くず?」と思えるものが大半を占めていた。あと壁にパネルがはっつけてあって、日本各地の寄生虫分布図とか有名な寄生虫による病気の説明とかがしてあった。これは勉強になります。
まあでもさ、ここで有名なのってやっぱ
これだよな。
日本海裂頭条虫(サナダムシ)。8.8mあるそうだが、駆除薬飲んでこれを出すとき大変だっただろうよな。
ちなみに初めて知ったんだが、上の細い方が頭なんだってさ。
しかし本当に驚くべきものはこれじゃない。違うんだ。もっと悲惨なものがある。
あれっすよ。バンクロフト糸条虫?
足のつけねなどのリンパ管に寄生するためリンパ液の循環障害を起こし、リンパ管の拡張・増殖・さらに皮下組織の増殖を招き足や陰嚢の皮膚が膨れ上がって象皮病を起こすという。
葛飾北斎が描いた陰嚢象皮病がこれ↓。
後ろの人が病気なわけで、抱えているのが陰嚢なわけで、陰嚢が何かわからん奴は辞書を引け。
絵ではなくアフリカ(と思う)の人がこれに罹患してる写真も貼ってあったが、ありゃあ洒落にならんぞ。思わず立ち止まってしまったし、他の人たちは笑ってたよ。
あと、海亀の目のまわりにヒルが寄生してるってのがあったのな。
ガイドブックに「誰かこのヒルをとって下さい!ウミガメの悲鳴が聞こえる」と書くのはいいんだが、展示してあるものは写真でもヒルオンリーでもなく、海亀の頭をぶったぎって標本にしてあるものなんですけど。いやまあ学術的にはするべき行為かもしれんが一般人はビビるぞ、普通。
そんなこんなな寄生虫館、やはり醍醐味はグッズ購入ではないでしょうか。
キーホルダー・ストラップは言うに及ばず、お洒落なTシャツもありますよ。なかなかこれはいいデザインだよ。寄生虫って絶対わからないくらいデフォルメされてるからな。圧巻は4800円のシルバーアクセサリーですか。1000円なら買ってましたね、実際。いやほんとに、寄生虫館のシンボルマークらしい
←フタゴムシ
をモチーフにしたヤツとかは言わなけりゃパレませんよ。寄生虫ファンは買いな一品だ。
そんな私は金が無いので
以上のものを買いました。
ガイドブックとピンバッジとコットンバックですな。
ちなみにピンバッジ左がトリパノソーマ(ツェツェバエが媒介する睡眠病の原虫)で右が有鉤条虫の頭部(サナダムシ等)をかたどったものらしい。思い切ったデザインもあったものだ。
まあなんつーか、結局寄生虫館における最大の記憶は、入ってパネル読んでたら黒人が寄ってきて
「これはなんて読むんですかー」
と「寄生生物」という文字を指したことですか。
んで、「きせい」と答えると、「おー、きせいー、きせいねー。で、これらが」パネルには寄生生物たちの種類とかあってまあ虫ではないものもあったんだが
「寄生虫」
と答えてやると
「おー、寄生虫ー。これみんな寄生虫ー」
とかいう感じのこといって感心してました。
ごめん、黒人の方。
ヒトデは多分虫ではないです。
まあ結局しょぼかったんで30分前後しかここにはいませんでしたよ。時間は5時にもなってなくてもう暇でしょうがないということになってきた。大変だ。
街中で暇つぶしというのができないのになんてことだちくしょうめ。
────というわけで東京駅で私のための土産をあさることにする。
案の定地下で迷う私。
んでフジテレビショップに入り鬼太郎グッズを見物し、まあ目新しいもんはないわなあ・・・・・・と思ってたところにガツンと素敵な青いボディが目に入る!!
────・・・・・・何故こんなとこで、うみにんを売っている?
なにやら聞いたこともないオレンジのフジニンとかいうのがいるぞ?なにこれ?ああ、フジテレビだからフジニンね・・・っておい、そんな短絡的なことしてんじゃねえ!!うみにんっつーのは青いもので、しかもそいつは謎の宇宙生命体なんだよ!!昨今のうみにん風潮がおかしいんだってば。なんなんだこのグッズの山は!!
ということで買いました。
印鑑ケースとかお守りマスコットとかメモ帳とかTシャツとかいろいろ。何に使うのかは知らんが今買わなかったら広島では手に入らんという勢いで買いあさった。ふじにんではなくうみにんの方を。
選ぶときは幸せ一杯なんだが買うときは愕然としましたね。いくらだったかは想像に任せます。もう大変でした。
まあ旅行にきてるっつーことは散財しにきてるっつーことで、仕方ない流れではあるわな。
でケンタッキーで食料を調達し(なんでどこでも食えるものを買うのかってことは気にしてはならない)、ホテル前まで帰ってきてやらねばならぬことがあった。
荷物重いから大半を宅急便で送り返したいんだけど、私ダンボール持ってないんだよな。
去年はファミリマートの店員に無理いって箱をわけてもらっていた。ので、同じことをしようと思ったら、なんかファミリーマートが存在しないんですけど?っていうか潰れてるみたいなんですけど?なにこれ。
仕方なくサンクスに行ったら「箱なんかない」と無碍な一言。おまえなー、ポテトチップスの箱とかあんだろ。なんでもいいからよこせよくそばばあ、ああ?なめんなよ・・・とか言うことは出来ず引き下がって向かいのスーパーみたいなとこに押しかけてみた。
外にダンボールが重ねておいてあって取ってもいいって言うんで探したんだけど、どーも小さいのしかない。
中のおばちゃんに「大きいのってないですかね?」と聞いて一緒に探してもらうが見つからない。
「ちょっと待って、上にあいてるのがあるかもしれない」
そう言い置いて行ってしまうおばちゃん。
あんたーなんていい人なんだ!!素敵だ!!
ついていくとエリエールとかそんなでかい箱はある。しかし私が所望するのはその箱の高さの半分くらいのでいいわけだ。
「大きいですね」
「うーん・・・こんなのしかないねえ」
「じゃあこれでなんとかしてみます。ありがとうございます」
と、サンクスのぱばあとは一線を画すナイスな店員さんに礼を告げ、大きい箱を持ってとぼとぼ帰途につくと後ろから「ちょっと!」という声。
振り返ればさっきのおばちゃんが私の希望するサイズに近いものを持って走ってくるではないですか!!
「奥にいったら見つかったから。こっちの方がいいんじゃない?」
そうです。
そうなんです。
なんていい人なんだ。いや、いい人で追いつく話じゃない。東京の人は冷たいなんて嘘だ。東京砂漠にあるオアシスかここは。
感激して箱勝ち取りました。
一日目、私に残したのはサンクスの店員サイテー、という印象でしたとさ。
まあ私の申し出も無理な話っちゃあそうなんだが。
後半へ続く