おのぼりさん漫遊記リベンジ

後編

 2日目はいわずとしれた夏コミ当日。
 帰りに昨年と同じ知人にお台場で会うことになってて、今度は妙な居酒屋に連れて行かれた。
 そういやビックサイトからの帰り、なんであんなにスムーズにゆりかもめに乗れたんだろ?みんなバスに乗ったのか?
 ま、そりゃいいや。
 最終日は一応東京タワーへ行こうと決めていたので午前中の予定は立っていた。しかし私のことだ。絶対時間が余って仕方なくなるはずだ。でも渋谷とか原宿とかあーいう「店」が乱立する場所に行ってもどうしようもないことは目に見えている。
 ほんと、本屋かゲーム屋か電気屋でしか落ち着かない性格だもんなあ。あーあ。
 っつーわけで地図を見る。地図といっても地下鉄マップなわけだが、巣鴨に行ってみようかと思った。とげぬき地蔵に惹かれたのだ。しかし上野の近くにある鬼子母神にも惹かれてしまった。
 だから東京タワーを早く切り上げてしまったら巣鴨までいって、そうでなきゃ鬼子母神ということで折り合いをつけてみた。
 結果。
 なんかさー、東京タワーが意外に面白かったんですけど。
 展望台には登らなかったが、
蝋人形館とトリックアートギャラリーに入ったのな。トリックアートについてはまあ、しょぼいとゆーかある一箇所以外は別に特筆すべきことは何も無い。そんなことより私がカメラを持っていなかったというのが辛いってくらい。もっと言えばここは2人以上でくるべきところだ。
 しかし蝋人形館はけっこーイケてましたね。
 最初に続く有名人たちはまあ普通だけど。なんでジョディ・フォスターだけがガラスケースみたいな中に立っているのかがわかんなかったけど。他の人たちは触ろうと思えば触れる置き方をされているのに(決して触っては駄目だが)なんでこの女はこんな完全防護?羊たちの沈黙だから?だったら博士がこんなかに入ってるべきではないのか?────などといろいろ思ったがまあいいよ。
 荘厳という点で言えば最大規模のレオナルドダヴィンチ「最後の晩餐」の立体化は良かったね。
 私の趣味からすれば扉で閉ざされた中の薄暗い場所に置かれ、
「見たくない人は入らん方がいいっすよ」という忠告も不気味な「世界の拷問」蝋人形がお気に入りだ。鉄の処女がなかったのが残念だけどね。水車にくっつけられてぐるぐる回ってるのとかよくできてたと思う。
 機会があったら今度はカメラ持って行きたいです。
 で、同じ階にあった「どんぐり共和国(宮崎駿系のアニメグッズ専門店)」で初めてモノを買った。
 しっかしまああそこはナニかね?トトロと千と千尋しかグッズ作んないのかね?まあちょっと譲ってもののけ姫か。それよりアレは作んないのか。
巨身兵。火の7日間だか13日間だか世界を燃やし尽くしたあいつらのフィギュアとか作んないのかね。掘り起こされたヤツが火を噴くとことか駄目なのか。私は買うぞ?絶対。
 まあ
「腐ってやがる」ってとこまで再現されると困るけど。
 ラピュタ系なんて全く無いしな。あったと思ったらロボット兵のオヤスミコード(電気の紐につける便利道具)くらいですよ。ああもう、ラピュタ万歳人間の私としては買いましたよ。買ったけどもよ。
 飛行石のアクセサリーとかかっこいいけどいかんせん高くないか?もっとこう消費者に歩み寄ったりはしてくれんのか?いやそんなのよりも、
ムスカのフィギュア(高さ10センチ以下で安いという前提で)とか欲しいんだけど。パズーたちに「バルス」って言われて飛行石光って目をやられ、
 「目が〜目が〜」
とのた打ち回るムスカのフィギュアが欲しい。
欲しくない?私は買うね。
 まあそんなことはどうでもよろしい。
 東京タワーに行ったら東京タワー饅頭買ってきて、といっていた姉とかに「そんなのないよ」と断言したが実際存在してしまい、仕方なく東京タワー饅頭を購入したのもいい話だ。
 土産買った後浜松町の駅へ向かって歩いた。
 通りすがりの増上寺でおみくじ引いたら末吉だった。
 不勉強で申し訳ないが、なんであの寺あんなに大きいの?っていうか偉そうだった。江戸幕府お抱えの寺なの?まあいいか。
 そのまま電車に乗って鬼子母神を目指す。ああ、目指したとも。上野から歩いていけそうだったけど、迷いそうだったんで地下鉄に乗ったりもしたさ。
 ついたさ。
 鬼子母神、名前はかなり有名。地下鉄の駅名を見て、
「入谷だったよな・・・恐れ入りやの鬼子母神だもんな・・・」と考えている私は一体何歳なのだろうという謎を孕みつつ辿り着いたよ。
 ────小さいなあ・・・。
 名と実がつりあってない気がするんですけど、やっぱそりゃ単に私が妙な期待を抱きすぎだったということですかね?
 同じ場所に大黒天かなんか(違ったか。なんだったっけ)が祭ってあって、近くにも寺があるみたいだからいくつか回った。結果毘沙門天のあるところが一番立派だったがだからどうしたという感じだった。
 すげえ不遜にして不敬なことを言ってるが、小さいですよ・・・頑張れ。近所の寺のが余程大きいよう。
 まあつっこむべきとこはそこではなく、一応年頃の女が上野くんだりにきて動物園ではなく寺社巡りをしてるとこですかね?だれも修正しないのでこんな地味且つ不毛な観光になってしまっているのだろうか。
 いやしかしここで「きゃっ、銀座のデパートでブランド物を!」とかいうのは私ではないからいいか。
 寺巡りをやめ上野でとんかつの和幸に入ってチキンカツ食いたかったのにメニューになくてがっくりした。
 というわけでもないが余った時間秋葉原に行ってみたです。
 男がいっぱいいて店に入りにくいったらありゃしない。
 ゲーム屋に行ったら定価より1000円近く安くて、「うちの近所で新品をこんな価格で売ってくれないわ!」という気持ちになったのと既に疲れきっていて思考力がなくなっていたのとかまあいろいろあってソフト2つも買っちゃったよ。散財だ。阿呆だ。しかも海洋堂に行ったら新しい妖怪フィギュアというか────荒俣宏監修かなんかで附喪神の食玩・・・妖怪絵札だっけ?それが山積みになってて「8個買ったら妖怪根付1つオマケします」とか書いてあるし箱買いしちゃったよ。
←これ。
んで根付でゲットできんかった二口女を捜し、店員に
 「二口女ありませんかね」
 「うーん・・・これですかね」
 「ああああ」
 「ああああ」
 とか変な会話してしまいましたよ。良かった二口女手に入って。嬉しいなあ。
 あと不思議の国のアリスで「ハンプティダンプティ」欲しかったのに王様があたってなんかヤだった。
 多分一番金使ったのは秋葉原です。しかも一番私が元気になってそうだ。
 魔界かあそこは。


 で、結局早めに東京駅についてしまう。だめだ進歩がない。
 まあいいかとのんぴり土産見つつ、弁当でも買うことにした。兄ちゃんとおっさんの間の微妙な位置にある男がにこやかに
 「ご試食してください」
と地鶏の焼いたのを差し出しやたら勧めるので買ってしまった。
 確かに鳥は好きだ。好きだけどどうしようかと悩んでいた。
 試食してしまったらなんとなく買わんといけんって感じになるじゃんよー。卑怯な。
 鳥好きだからってのもあるから迷ったわけだが、まあ、あの店員にはのせられちゃったね。
 こうして新幹線に乗って帰りました。本読んでたら目が痛くなって困りました。疲れ目ですね。
 関係ないけど、久しぶりにゲーセンで手相占いしたら、
「感情線が一直線で、知的だけど理屈っぽいタイプで感情の動きが平板で発達してない」
とかなんとかもっともらしいことを書くくせに診断自体には
「常に夢と浪漫を追い求める激情型人間」
と書きやがる。
 おいコラ、一体どっちだ。 

2002年8月13日