ビデオ鑑賞しました!…というわけで。
ベストソングコレクションは本当にベストなのか?という話
その2 申し訳ないですが不満です編
さて。しょっぱなからアレですが、26000円で買ったビデオの中身、満足すべきかどうかって点でちょっと疑問が残る仕上がりになってます。
割ると一本5200円という価格。一本あたり10曲程度入ってますが、合計しても30分前後入っているのがやっと。30分で5200円かあ、と思ったけれど、そういやサイキックフォースのOVAは30分7800円だったっけ、と悲しく自分で自分を励ましたりしてます。
内容は以下の通り
ひらけ!ポンキッキベストコレクション
(1)のりもの・たび編 1.はたらくくるま3 2.でんしゃのなかはおもちゃばこ 3.ぼくはでんしゃ 4.こよみをめくってきしゃがいく 5.おべんとおべんと 6.ぼくらはみらいのたんけんたい 7.8がつってすてき 8.はたらくくるま2 9.このみちどんどん 10.ポレポレ |
(2)どうぶつパラダイス編 1.ガチョウのものがたり 2.どうぶつえんにいったらば 3.ほえろ!マンモスくん 4.ねんこっこ 5.タヌキのあかちゃん 6.ジャブジャブロック 7.おーい かばくん 8.ゴロちゃん 9.こねこのしーにゃん 10.みんなであそぼう どうぶつかぞく |
(3)おどり・たいそう編 1.オーレ!チャンブ 2.ドスコイ! 3.いっとうしょうたいそう2 4.トンガリたいそうNO.5 5.わっはっはたいそう 6.げんきたいそうポンキッキ 7.かまっておんど 8.からだ元気? 9.ドレミたいそう1 10 ゴー!ゴー!ジャンプ 11 やせろ!チャールス豚三世 |
(4)ファンタジーランド編 1.およげ!たいやきくん 2.むぎばたけのうちゅうじん 3.てんしのおしっこ 4.アラッ!でんわ 5.ねむねむのひつじ 6.ホネホネロック 7.ベロベロバア 8.かいぶん21めんそう 9.こんこんこんのこぎつねさん |
(5)ドリームワールド編 1.ドキドキドン!一年生 2.ようちえんにはいったら 3.ねぼすけペーパームーン 4.まる・さんかく・しかく 5.ユイユイ 6.ママのおなか 7.えくぼのはてな 8.タツジンになるんだもん 9.みんなともだち 10.2100ねん ガチャピンキッド |
題名だけ見て、とりあえずそうそうたるナンバーですな。適当にでも分かる人には分かるはず。
それでもね。
逆に深く知っている人が見ると首をかしげる内容なんですよ。
これは教材セットの一環であり、万人の好みとか相対的な評価をもとにして編集されているのだ、という文章を何度頭の中で作ってもちょっと納得いかない。
まず、昔の曲というのが意外に少ない。むしろ少なすぎやしないか。
1993年頃に作られたらしい(歌詞カードに1993フジテレビプロジェクトと書いてあるから)のだが、それはもうひらけ!ポンキッキにとっては晩年期、いい歌はでつくしてしまっていた頃だ。曲は選びたい放題だから逆に選べないという話にもなるのだろうが、往年の名曲ってやつを完璧に忘れてないだろうか、編集者は。
名曲といっても、ただお前が一押ししてるだけの曲じゃないかと言われれば、グウの音もでませんがね。
一応、押さえるとこは押さえてます。例えば陳腐ながら「およげ!たいやきくん」。
ポンキッキ=たいやきくんだったから、これを抜くことは考えられなかったに違いない。あとは「はたらくくるま」関係とか「げんきたいそうポンキッキ」、「アラッ!でんわ」、「ようちえんにはいったら」などですか。
しかし、なんで「はたらくくるま」の2と3はあって1はないんでしょうか。まあいいか。
歌を通じて何かを身につけたり、学習したり、体操したりするためだけに購入するなら、この曲目でも充分だとは思います。っていうか、曲の内容に拘る必要は全く無いでしょう。学習教材なんだから。ポンキッキは民放における幼児教育番組の王道。
どの曲選んだって、とりあえずハズレはないのだ。
けれどね。
私は思うわけです。
幼児教育において何が一番重要?
っていうか、人間が生きてくうえで何が必要?
心豊かにするっつーか、想像力を広げるっつーか、教えるんじゃなくて感じさせることがまず必要なわけじゃん。そりゃ子供の趣味ってのもあるさ。幼児はとかく車が好きで、だから「はたらくくるま」シリーズはいっぱいある。それは幼児の好みとか趣味で、そーいうところを伸ばしていくために選曲したんだっつうんなら別にいいんだよ。
でもさあ、なんかとても、大人の押し付けを感じる選曲に思えてならない。
これは教育にいいから、躾にいいから、編集時にたまたま人気があったから、そんな理由で編集してない?発売元の人。
「タツジンになるんだもん」なんて、あんた、大変ですよ。
えくぼ王子っていうキャラがいたんだけど、こいつがいろんなものの達人になりたいわけだ。なんの達人か?
「横断歩道を渡る達人」
「ボタンをきちんとはめる達人」
「ご飯をもりもり食べる達人」
「ママをびっくりさせる達人」。
なにそれ?
3〜4分程度の中で一つの躾を終えさせる気満々ですよ。
躾なんてものはなあ、親とかそのまた親とかが、適当に子供を甘やかしたり突き放したり怒鳴ったり褒めたりしながらやってたらなんとなく身につくもんなんだよ。特に日常における常識やその他もろもろの知識は家族が教えこんでやりゃいいの。あからさまにそういった曲でやってんじゃないよ。
テレビとか、教育セットってのはさあ、親にできないことが含まれてるから買わせるものなんじゃん。
幼稚園に行くのも学校に行くのも、親にはできないことをそこがやってくれるから通わせるわけじゃん。親は躾をする。学校はその下地の上に本人が本人の満足いくものを自力で作れるようにする土台を作ってやる。そういうもんでしょ。
違うの?
あ、いや、だから何が言いたいのかっていうとですね、そういう曲じゃなくて、もっと情操教育っつうか、ココロのゆとりとか想像力とかをかきたてる曲とかをいれた方がいいんじゃないかと思うわけ。
あああ、文章にするととてつもなく陳腐に聞こえるなあ。
風変わりな歌って親には作れないじゃん。
右脳を刺激する歌聞かせるためにソングビデオ作ろうと思ったんじゃないわけ?
違うと言われればそれまでだが、少なくともそこにいる親でもできる躾歌を収録するより、ここは一つ「せかいはおどる」で世界への見識広めた方がいいんじゃん、と思ったのです。これはこれで一種の教育かもしれんが、えくぼ王子が幅利かせとくよりは余程気が利いている。
まあ、なんというか、そういう種類の怒りが少しほとばしってました。
ほぼ50曲の中で期待できる曲は15曲しかないんすよ。3割しか素敵な曲が入ってないってことになる。好みの問題だと言われれば、ほんと、何度も言いますけどこれ以上の抗弁ができないですが。
例えば私としては
「せかいはおどる」…インド・中国など十カ国ぐらいの紹介の歌。コサックダンスやスペイン系の踊りをする兄さん達がかっこよかった。
「はなのにっぽんさのよいよい」…片岡鶴太郎が唄う。北から南までの県花の説明だろうか。
「メロンにきいてもわからない」…本当にわからない曲なので、インパクトだけはばっちり。とりあえず「メロンにきいてもわからない」と
無理矢理アップテンポにまとめてしまう強引さが好き。
「パタパタママ」…別に好きなわけではないが異様に起用されてたし、「およげ!たいやきくん」の次に有名な曲だと思っていたのに、
入ってなかった。ママがいかに気楽且つ貞淑な妻を演じているかの説明歌。
「ばあちゃん」…ばあちゃんの歌。「ばあちゃんばあちゃん足ちめたい〜」というフレーズが印象に残る。
「どこからきたの」…小椋桂・玉置浩司が作り亀渕友香が歌う。しんみりとしたもの悲しい歌。別れの曲か?名曲。
「おはなのホテル」…ほのぼの系ダントツ一位だと思う。虫たちが可愛く演奏する姿を思う。
「こころくん・こころさん」…ほのぼの系。「けんかのあとは」に通じるものがある。
「おっぱいがいっぱい」…なんというか、これがないと始まらないでしょう。乳房をぶったぎってそれを椅子にかたどり、赤子を座らせて
上から下へ落下させていく……という文章で書くとおどろおどろしいが実際見るとほのぼのする絵は見物だ。
「かいじゅうのうた」…兄の、弟への愛憎が織り込まれたスペクタクル巨編。可もなく不可もなくかもしれないが。
「いっぽんでもにんじん」…これも有名ですよね。
「すき」…みわゆうこの数少ない歌。
などは是非収録したい。
あとはオープニング・エンディング。「もっと!」とかはここに混ぜてもおかしくない出来だったから。
そう考えてくると、私ってこのビデオ買って本当に得をしたのかどうか疑問だなあ。いや、得したというか、嬉しいことは嬉しいんですよ。欲しかったんだから。ポンキッキの歌なら結構なんでも好きだからそこまで不満じゃないけれど、ただ、もっと他にもいい曲があるのに、と考えると悔しくなってくるだけで。
以上を考えると「おっぱいがいっぱい」とか、古い歌っていうのがあんまり入っていない。もえみ・いずみ姉さんしかでてきてないし、ああ、「うわさのキョンシー体操」も入ってないな。「ドスコイ」ですらあるってのに。
最近なんかで「山ちゃん・直ちゃんは6年間お兄さんをして」っていう文を見つけて、「じゃあ私がポンキッキを見始める1年ぐらい前からやってたのか」といういらん知識を得ましたが、じゃあそれ以前のお兄さんの曲はないのかっていうのも疑問です。
それにですね、ここからはちょっとマニアな大人の視点になってしまうのですが。
曲と曲のつなぎがとても嫌。
一曲一曲をきちんと完全に独立しての録画じゃないんですね。一曲あって、その最後の画面と次の曲の画面がかぶさるというか、とにかく綺麗にきちんと終わらない。ほねほねロックの絵のおっさんが隅に残ったまま、流れるようにベロベロバアが始まるみたいな。そんな感じ。
誰も気にしてないのかもしれないけど、私的にはきちんと一曲を終わらせて、できれば曲の前に題名のテロップぐらいバンッといれるくらいの親切心が欲しいところでした。
あと歌詞カードにしても、なんかちんけで薄い一色刷りのものになんかしなくても、もっと金かけてカラー写真でもつけるぐらいの気合いが欲しかった。26000円も取るんだから、それぐらいのサービスはあってもいいんじゃないか。
だって、冊子じゃなくて一枚ものを折りたたんで無造作にいれてあるだけだよ?電話で話を聞いたときは、「解説の本」とか言って、いかにも「立派な小冊子が入ってますぜ」って感じだったのに全然違うじゃん。
まあ、歌詞さえわかればいいじゃんと言われればそれまでですが。
まあ、本当に曲も映像も概ね放送時通りで満足です。
概ねっていうのは、体操関係の曲が放送時、日によって踊ってる幼児が違ってたらしくて、今回はおそらくポンキッキの正統バージョンが収録されてたみたいなんですね。
例えば体操とは違うけど、「みんなともだち」は記憶の中では兄さん2人が幼稚園でみんなと一緒にダンボールでロボット作ったり遊んだりしている楽しそうな映像だったのに、ビデオの中身はそんな場面一つもなかった。兄さん主体の映像だったという印象が強くて楽しみだったんだけど、あんまりでてきてくれなかったし。
その代わりガチャピン・ムック大活躍ですよ。
うーん、世の中思い通りにはいかないという見本ですね。
そんなこんなで不満もありましたが、内容はとてもよろしかったです。
ポンキッキの曲って、無国籍というか多国籍というか、なんでもありで楽しいしね。たまに意味のわからない無茶をしてくれることもあるし。
「まる・さんかく・しかく」も、まる・さんかく・しかくって星がそれぞれあって、それぞれの星の特性と困った状態ってのを報告してくれるんだけど(例:しかくの星のタイヤは四角いから進まない。さんかく星のさんかく枕は利用するのに不便)、解決策もないまま終わってしまって「じゃあこれからどうすんのよ!」と言いたくなることうけあい。
こういうもので幼児の頭を活性化させたいんだろうか。それはそれでいい話だ。
聞くだけよりも映像がつくと更に面白くなるしね。一曲一曲の独特な絵は、よくしてくれたと褒めたくなるくらい共通性のないもので、逆にそこへこだわりを感じたりもします。
じゃ、今回はこれくらいということで、次はやっと内容というか見た感じの感想編にいきたいと思います。
長々お待たせしましたね。って、誰も待ってないのか。
続く。