これ読んで初めて、「まわしてけす」からマワスケスなのだと知った。
思いの外、感心した。
まあ、そんだけの話。
ということで、何読んだかっていうともう、2007東京ゲームショウに出展したアイレムの発行物、「ぶるるんアイレム’07」しかないです。楽しかったです。
ゲームショウに行けば無料で手に入るらしいコレですが、どう考えても会場まで行けない私には手に入れることが不可能な代物。欲しいなあ欲しいなあとぶつぶつ言ってたら、入手された方が譲ってくださいました。もうね、すごい感動した。本当に嬉しかったんですよ!言ってみるもんだ・・・・・・とかそうでなくて。
なんかもう、お話があったとき、催促したみたいな感じですげえ申し訳なかったです。いや、さ、催促したわけではないです。でもいただくことができまして、本当に嬉しかったので遠慮なく譲ってもらいました。
ありがとうございました。
それで、いただきましたし、袋とじとかありましたし、感想のようなものをしようかという、そういう話になりまして。
今年は「ぶるるん’07」のレビューをしていこうかと考えます。
アイレムというとゲーム会社で、私はこの会社がすげえ好きだ。
かといって出るゲーム全部好きとか買ってるとかそういうことではなくて、いろんなとこから醸しだされるこの会社の社風みたいなものの虜になっているということなのだと思われる。会社が好きなの。一企業がね。
ここのゲームってそんな持ってないし。
確か絶体絶命都市と桜坂消防隊くらいのものだ。
まあしかし、そのゲーム内においてもアイレムの変さは現れてまして。選択肢とかに。変な選択肢大好き。吉田戦車の4コマにもあったが、「味噌汁に入ってる具が豆腐かワカメかで展開ががらりと変わる」ようなそういうゲームを一回してみたい。別にアイレムのゲームって、変な選択肢選んだからって展開が致命的に変わったりはしないけど。
あと特筆すべきはエイプリルフール企画か。2006年のハクサンシーのヤツは秀逸だった。っつーか、秀逸を超える威力があって、思わず私もエイプリルフール企画をやってしまった。そしてアイレムにはかなわねえと思った。
そんな、エイプリルフール企画の勢いが如実に現れたのが、この「ぶるるん」なのだということです。
もう、アホです。こいつら。
当然褒め言葉です。
大好き。
ちゃんと仕事してんのかよ、とこっちが心配になる。・・・・・・いや、これこそがこの人たちの仕事なんだよなきっと、羨ましい────いや、羨ましいが、かといって、これだけのものを企画実行するのは並大抵のことではない。準備は楽しく文化祭前夜のノリではあるかもしれないが、その苦労を考えるともう────いや、やっぱ羨ましいわ。
ただ、私にはこれだけの企画力がないという点で、きっとこの会社では生きていけまい。
別に生きてく必要はないが。
そんなことはどうでもよくて。
書かれてる「どきどきすいこでん攻略」というとこで脱力させられたり、写真のほぼ中央を走ってるチャリの人ののどかな姿に和まされたりと表紙から素敵なこの本ですが、基本的には一応ゲームショウに関連してるものなので、普通にゲームの紹介が主となってます。
前半は主にそんなまともな話。
いつの間にかバンピートロット2がPS3のソフトになってたり、マワスケスの話してたり、R-TYPE TACTICSの紹介記事があったり。
ゲームはあんま興味ないんで飛ばし読みしてしまうが、「アイレムの逸品(開発を支える手作り道具紹介。出欠ホワイトボードが好き)」や「キャラ飯教室・丼編(アイレムのキャラクターを丼で表現する。カラーで見たかった)」等を越えた先に掲載されてる「パチパラ14」の記事にはちょっと、どうも、興味が湧いた。
パチンコしないし、それこそどうだっていいものじゃあるんだが、これ、パチプロのストーリーモードが入ってるじゃん。アドベンチャーというかRPGというか、パチンコはいらないがそっちのストーリーモードは常々やってみたいと思ってたんですよ。
アイレムのアドベンチャーだ。楽しそう。
いたるところでギャンブルできるってのもいいが、夜に魅惑の歓楽街で好き放題、その上演劇システムを搭載し何故か劇で馬のかっこしたりできるらしい。そこの解説文に「おもしろければなんでもありな、このカオスな世界がパチプロ風雲録の醍醐味なのだ!」ってあって、
「うわ、そうなの。じゃあ買う」
と言いそうになった。
だって、演劇中にあるらしい、「ダランベール卿を蹴飛ばす」を選択したいから。
選択させてくれ。
・・・・・・もうダメだ私は。
いやでも高校野球にも助っ人参戦できるとかいうし・・・・・・パチプロ風雲録シリーズ全部詰めて販売してくれたら買うかも。
まあそんな、ある意味まともな記事を終えると、あとはもう、本気でカオスな世界が広がっておりました。
まず「アイレムプロデュース絶対的美麗液晶モニター アシュラ」の話。
詳しくはアイレムサイトでムービーつきで語られてたんで、今なら確実に見れるかもしれん。詳しい内容とか映像はそっち参照してください。
しっかしとにかく、なんっかもう、いろいろと細かいね。
主な仕様における項目もそうだが、公開された7つの特殊機能の説明も(トラックがつっこんでも倒れない強靭な忍耐力のスタンドとか。そこ、忍耐って言葉は違うだろう)細かい。
ただ、私が最もツボだったのは、「開発当初は2画面構成でしたが、リーダーが「偶数は嫌だ!」と駄々をこねた」から3画面構成になったという、その経緯。
なんじゃそりゃ。
たまらねえ。
この「アシュラ」の記事の後は、問題の袋とじページをのぞくと、今年のエイプリルフールでやってた愛礼夢学園の話と、雑誌にありがちな「売ります・買います」的お便りコーナー、求人ページと広告ページが続いていく。あとどきどきすいこでんの攻略な。
わかりますか。
アイレムの真骨頂はね、ここなんですよ。
この細かいとこ。
悪いがゲームとか置いといて、アイレムのすごいとこはここだ。こーいうの考える人材と、それを許す社風、ここに尽きるね。
その前に問題の袋とじなんだけども。
魅惑の袋とじ 成人向け小説「脈動する黒革の感触」

タイトルはこれですが、@アイレムがやってるっていうこと、A袋とじの外側に書いてある文言で、内容は相当そうでもないんだろうなってことは想像せずとも分かる話です。
で。
中身は確かに小説で、怪しげな文体で書かれておりました。背景に描かれてる主役の女の顔とかなんかすごいし。
ただまあ、冒頭で既にオチが見えているという、それは安心するべきとこなんだろーか。
えーと、内容書いていいですか?一応反転した方がいいのか?
じゃあ、反転。
実は、まあ、内容にものすごい期待してるとちょっとへこむ。
いやこれはこれでいいものだと思うよ。営業の有能な女の人・梨恵が、部長に会議室に呼びつけられ「あるもの」を見せつけられる。新製品と称して何か妙な器具に跨る部長。上半身は汗まみれのランニング姿で、興奮し息を切らせている。そんな姿。この新商品を売り出す為にはどうしても梨恵の力が必要なのだ────部長はそう言うのだが、彼女は嫌がり拒絶した。
しかし、梨恵の友人やその彼氏の陰謀(?)により、梨恵は追い詰められ、とうとうその怪しげな新商品に跨るを得なくなっていく────。
そんな内容の見開き2ページの小説。
ま、その新製品、これのようなものだったんだけどね。
黒革の感触、脈動してるなあ。
そんな真相のために、ここまで大袈裟にページを作る心意気は買いたい。っていうかなんでこういうネタにしようと思ったんだ?あー・・・これ作ってる姿想像してたら楽しくなってきた。絶対書いてる人は楽しんでる。馬鹿馬鹿しいことをここまで真剣にやれば、それは一種の芸なのだと、そんな悟りすら開かせてくれる。
そうだな、袋とじに相応しい内容だよな(笑)。
つーか、よく許されたな、これ。アイレムだからか?
最後に申し訳程度につけられた「成人病(生活習慣病)啓蒙小説 『脈動する黒革の感触』」って文字が微笑ましかったです。
さて。
後は細かいページの話に戻るんだが・・・・・・前述の通り、そここそが醍醐味ではあるんだが、ものすごく説明しづらい醍醐味ではある。
愛礼夢学園には心底入学したいと思うものの、まあそれはいいや。来年3月くらいに、今年のエイプリルフールのヤツが見られるようになるだろうから詳しくはそっち見た方がいいと思うし。あれはねー、「狙いが分からない奇想天外な課外活動」「油断大敵!様々な学校行事」「謎多き学び舎」って随所に散りばめられたキーワードがツボ過ぎて大変なんだよ。
もういろいろと細かい。アホだと思う。感想がそれしか浮かんでこないってくらいアホなんだよ、ここ。
「売ります・買います」的お便りコーナーで、スペランカー先生が残機くださいって言ってるが、「なるべく段差・障害物の少ない地域に住んでおられる方を希望します」って書いてあって大笑いした。私んとこ段差はともかく坂道ばっかなので、危険だから来てもらうことはできんな。残念。
どうでもいいが、「買います」でアイレム横丁の「そんなことよりおなかがすいたよトートバッグ」を譲って欲しいって話載ってたが、私も誰かに譲って欲しいんだが。悩んでたら売り切れになってたもんで。ネタなのに、ものすげえ共感させられた。
そいから求人広告における、
「短期」今すぐ!
(時給)5万円(情報)今すぐ来てください!早く!早く!あ〜間に合わなかった・・・。
の粟手商事さん、結局求人は継続してんだろうか。
心配だ。
そんなこんなで何から話してどう説明していかにしたらこの楽しさが伝わるのか、全く皆目見当もつかんままここまでダラダラ書いてしまったんだが、いくらかでも伝わってんでしょうか。
一個一個を解説してたらとめどないし、かといって全般を大まかにぼやっと話しても絶対伝わらない、そういう細かさなんだよなあ。
この、アイレムの醍醐味部分ってほんと、どう言えばいいんだ。
私は好きです。こういう仕事がしたいものだ。
手抜きされてるようで手抜きでもない、細かい芸がたまらない。
そういや細かい芸といえば上野顕太郎だけど、この二者ってかなり通じるものがあるな。
そりゃいいとして、そんでは、ラストの「一二〇支占い」で今回の感想文を締めたいと思います。
「一二〇支占い」。
十二支占いをしたかったが、12じゃアレなんで120にしたんだろう。馬鹿だ。大好き。
いろいろと蜘蛛年だのししお年だのと脈絡ない一二〇支がつづいてたんだが、ところどころに
「もうネタ切れ ちょっぴり苦しい」
「もう思いつかない とりあえず踏み台昇降して」
「あと少し・・・ これ全部読む人いるのかな」
ってのが挿入されてて、涙を誘うと同時に励ましたくなった。
見てるよ!
少なくともここに一人、見てる人がいるよ!頑張って!
アイレムにはずっとこのままでいてほしいと思いました。
そうだ。
裏表紙のバーコードもどき。
上は多分、マワスケスの「カートンくん」でしょ。
で、下は多分、バーコードに似せて、「ソンナコトヨリオナカガスイタヨ8:2ハユズレナイ」って書いてある。と思う。後半自信ないが、前半は絶対そう書いてある。間違いない。
ISDNコード的なものは、アイレムの電話かFAX番号じゃねえかなあ。
最後まで手ぇ抜いてないですな。
ともかく。
次号予告にある「ハクサンシー捕獲大作戦!!」を記事にしてもらうため、今号で最終号とは言わずにまた出してほしいものですよね。
うん。
アイレムグルメ紀行もアイレムスタッフ相関図も見たいし。
私ほんと、どんだけこの会社好きなんだ。
ま、もうないかもしれんが次に期待ということで、この辺りで終わろう。
楽しかったです。雑誌をこんな隅から隅まで読むのは多分初めてだ。
ありがとうございました。
追伸※
これ書くに際して、最後にあった付録・アシュラペーパークラフトを作って画像あげようかと思ったんだが、すげえ時間かかりそうなのでやめる。
また気が向いたら。
というか時間があるときに。
このアシュラの外観って、私としては玉虫厨子的なものを連想させられるのだが、違うか。
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