カメムシ騒動記(改訂版)
前も言ってたと思うけど、虫が嫌いだ。
本当に嫌いだ。
嫌いというより怖いのだろうか。
とにかく、あいつらの存在が許されない。
地球にとっては必要なのかもしれないが、私にとっては絶対に不必要だ。
何が嫌なのか怖いのかなんて、そんな詳しい話はできない。だって生理的嫌悪感の中身を説明できるだろうか?
できないね。
────とか、まあいろいろ言ってるんですが、実際のとこ私に迷惑をかけなければ存在はしていいとは思ってます。まあ、絶対に近寄ってこない、という保証さえあるのなら。
でもそういうわけにはいかんでしょう。
過去にもいろいろあったですよ。その過去については「昆虫七不思議」で触れてるけど。
要約すると、大体こういうのって法則があって、どんなに小さかろうと大きかろうと、虫は虫嫌いがまず見つけるというのが普遍の真理みたいなもの。絶対そう。虫退治班班長のおかんよりも私や姉の方が見つける率は高いし、まあ嫌っている人の方がより注意を向けてるだろうからあながち間違ったものではないと思うんですね。
で、虫嫌いの私は、かなり虫に襲われました。
授業中に私めがけて飛んできやがったりしたんですよ?何故?
しかも背中がピンクというか紫というか(全然違うけども)原色系の色で彩られたけったいなものとか。
いつも緑の服を着ているからでしょうか?多分そうなのだな。
ちなみに2001年度最大の危機は、夏頃にムカデがでたという衝撃な話。最初はわかんなかったんだけど、部屋で座ってたらどーも横で、「ガサガサ、ガサガサ」って音がする。しかもたまに。袋とか紙とか置いてるから見ても何がいるのかはっきりわかんない。
恐怖でしょう?だって音だけなんだよ。
おかん呼んできて「何かいる」と訴えもするけど、実際音しか聞こえないしおかんにはその音すら聞こえない。端から聞いてれば私はただの電波系じゃないっすか。音が聞こえるの、とか訴えて。怖い怖い。絶対何かいるという確信はあるのに証明できず、しかもそれにより頭おかしい人と思われる危険もあるという。
結局そのときは何も見つからず、次の日たまたまその辺りにあった袋の中身を出そうとしたとき、ビニール袋の中に動かなくなったムカデ(超でかかった)を見つけたのでした。糞もしてた。どうやらその中に落ちてしまい、ビニールなので這い上がることもできず、中で過労死したらしい(笑)。過労死するほどもがくなよ。
この場合って、とりあえず本当にいてよかったと思いませんか。こうなってくると逆に「いた。」と証明される方が嬉しいよね。
他にもなんか部屋がカメムシ臭くて「絶対いる」と思って探したんだけど何もいない。本当に臭いはするんだけど、服とか全部はらってもでてこなくてね。
まあいないなら仕方ないか、と解せない思いで過ごしていたら、次の日部屋の天井にでかい虫を発見してびびりました。
カナブンがいました。
なんでだよ(笑)。
で、本題はここからです。
こんな私も就職してますが、その会社の位置がこともあろうに山のへり。虫ですよ。虫きますよ。わんさかと。 なおかつ、今年度(2001年4月〜2002年3月という括りで)は最も厄介な奴らが大量発生、農作物にも被害があったとかなかったとかいうじゃないですか。
知りません?
まあ標題のカメムシなんですが。
こいつらってなんのために生きてるんですか?
洗濯物にしがみつくため?しがみついて離れないため?
しかも人間様の所有物にくっついていやがる分際で、殺さずに外に逃がしてやろうという心優しい行動への仕打ちがあの異臭ですよ。何様のつもりだ。
そんな生きる価値なぞない奴らが大量発生すれば、山と川に挟まれた小さな畑なんかが存在するような地域にあるうちの会社の周りに飛んでこんわけないでしょう。来ましたよ。山ほど。
それがね、またあの会社が変な話、窓全開にしてるんですね。
全面ガラス張りみたいな感じで西日は強いし、そのおかげでクーラー効いてないし、冬はコンクリのせいか超寒い。春口から秋の終わりまで、真夏を除けば大概網戸すらついていない窓を全開にしとくんですよ。
そりゃ虫も入ってくるわ。
だからカメムシ大量発生の10月頃から私は恐怖の日々ですよ。
小さいヤツならまだ許そう。私にもそのくらいなら戦う気力は湧いてくる。
しかし今年度は違った。
何故ってそりゃ大きい奴らの大量発生なんすよ!なんじゃそりゃ!!拷問か?!
ほんと、やたらと大きい奴が入ってきましたね。その度横に座っている部長に「どうにかしてください」と命令して捨ててもらいましたよ。
いやもう本当にでかくて立派なんですよ。なんかゴキブリでもたまに「おお、なんて大きくて立派な」と感心するようなのいるじゃないですか。ああいうノリだと思ってください。
そーいうのが床に落ちてたりガラスに張り付いてたりいろんなとこにいるんですよ。日に一回ならまだしも何回も何回も飽きることなく私の前に姿を現す。窓についてる奴はその度中にいるのか外にいるのか確かめました。穴のあくほど。
誰もが「怖くない」だの「ノロいから心配ない」だのいうけど、そういう問題じゃないんだろう。捕まえようとして飛び掛ってきたらどうするんだ?それによる心の傷を誰が癒してくれるというのか。しかも異臭放たれたとき誰が処理してくれんの?この殺そうにも殺虫剤かけても死なない超合金Zのようなヤツらなのに。
だってさー、蚊は足は長く細く気づかれないようにことを終わらせ去っていくからまだいいが、あいつらは何の用事もないのに短い足で寸胴な体をへばりつかせて払っても払ってもどいてはくれない。動かない。そのくせ存在だけは大きく主張してきやがるんだぞ。
うわーっ、想像してたら鳥肌たってきた。
カメムシシーズンは10月から11月中旬までがピークなんで耐えました。
しかし耐えたのも束の間、11月も終わりかけたある日異変が起こったのです。
私の席は窓側にあって、窓を背にして座ります。窓にくっつけるように背の低いロッカーが一つあって、それと窓の隙間が3cmくらいあいている。
昼間いきなり背後で、ばちばちぃって音がした。3cmの隙間あたりから。一回だけなんだけど。
そりゃ音速で振り返るさ。
何もいない。
次の日も同じ時間の頃にばちばちって音がする。音だけ。やっぱり振り返っても何もないんですよね。
おかしいなあと思いはするけど、また音がしたって騒いでもただのイカレポンチな人間になるだけだし、まだ実害はないから黙っていた。
でも恐怖でしょ?
で。
案の定とゆーかさー、次の日にも音がしたんですよ。
振り返ると、今回は窓にやたら足の長い(私にはそう見えた)カメムシがへばりついてるじゃないですか!
それも部長に捨ててもらいましたよ(この部長がまたカメムシのことを「おひめさん」などと呼び可愛いのにとかいうのでどうにかしてほしい)。
とりあえず今までの音は、まさに今捨てられた奴がばたばたしてたんだろう、ということで私の中では解決した。良かった良かったこれで終わった────と思ったのは甘かった。
なんと次の日にも同じ頃にばちばちって音がしたんですよ!ほんとだって。怖かったんだってっ。
そりゃもう光速で振り返ったよ。そしたら────でかいカメムシがいたんだよ。一匹。窓に。
いつもロッカーと窓の間でカメムシがばちばち暴れてて、振り返ったら窓にはりついてる。もしかして、この後ろには、カメムシの巣でもあるんですか?
ジャストブリードの敵の巣みたいに一匹倒したら一匹出てくるが如く、隙間の更に隅の方とかにカメムシたちがわらわらわらわらいるんですか?
また人に訴えて捨ててもらい、今回はロッカーの後ろを確認しましたよ。怖いから。
なかったけどね。巣。
それからというものは特に変なものは現われず、とりあえず平凡な日々になりました。
虫さえ出てこなければそれなりの環境なんで。
それに真冬になれば虫もあんまり動かなくなるし、それ関係の恐怖は減りますね。年中通して一番怖いのはやっぱり秋です。次が春。
だから正月明けてしばらく安心してたんですよ。
そう。
恐怖は終わっていなかった。
1月15日前後で暖かい日が数日あったじゃないですか。覚えてませんか。まあいいですが。
あの頃、会社で平和に過ごしてたらいきなり頭上を、ぶぶぶぶぶぶぶぶ・・・・・・という凄い豪快な音が通り過ぎたんですね。そりゃ恐怖すべき音でしたよ。
んで、直後に、「バチイッ」て音がして。
振り返ると、カメムシのでかいのが窓にへばりついてました。
文字通り凍りつきましたね。
なんで冬なのに活動してんだよ。
っていうかなんで室内飛んでんだよ。
しかもいつも私の周りじゃん。やっぱり拷問なのか?
・・・・・・今年も一年虫に悩まされるんだろうなあ。嫌だなあ。
そんなことをぼんやりと考える昼下がりでした。
もうどうでもいいから勘弁してください。
追伸※ そのカメムシは部長がごみ箱に捨てやがるので、次の日の昼には這い出てきて干してたタオルの上でうろうろしてました。
虫は外に出した方がいいと思います。私のためにも。
ああそれとですね、麦チョコって外観カメムシに似てませんか?
たまにびくっとします。
あの程よい大きさがなんともいえないです。
おわり
もどれ