Hバロン森

 彼こそが球四郎の本当の懐刀。
 なんつーか、恐らく金髪で中世貴族のような内巻の長めの髪、左眼に眼帯なんか
しちゃってでてきた瞬間から笑いを誘う。
 野球の知識は豊富だが、実戦経験はない。ただ、試合の中で能力を開花、けっこう
いい働きをする。ただやはり実戦よりも頭脳派で、血みどろ野球をするために大門を
いれたのとは違い、バロン森はいかに野球の中でアストロを死滅させるかという一点
のために仲間にしているのだという雰囲気は存分に伝わる。
 こいつはもー、狡猾で卑怯。ここまでかという程大門を馬鹿にし、反則ぎりぎりの
大門が考案したバットに文句をつけ(まあ、異様なバットだったしない方がいいと私も
思うが)、やたら球四郎にしなだれかかってオカマ?という印象を与えてくれる。
 こいつ、最初は嫌いだったよ。清清しいほど卑怯なんだもん。
 けど、大門が命を落とすくだりからすっごくよくなる。
 本物の漢になったというべきか?
 おまえら大門の死を見て何も思わんのかー!!と叫ぶと同時に男泣きに泣き、彼も
発奮して好プレーの連続。そのせいで命を落とすことになるのだが。
 めちゃめちゃ血吐くしね。
 彼の今際の際の言葉で球四郎も全てがふっきれ、何時の間にかアストロナインと同
じく一試合完全燃焼的試合にのめりこんでいった。
 そんなことより、バロン森、大門ともに作られた墓なんだが、その名前が、
「森慎之介」
と書いてあったので、なんだバロンは本名じゃないんじゃんと思ってがっくりしました。
 ただし、その本名の横に小さく「バロン森」と書き足してあったので微笑ましかったよ。