是非読んで下さい。



古屋兎丸/代表作 「Palepoli」青林堂 「ショートカッツ」小学館 「Garden」イーストプレス

 高校の美術の先生で、小沢健二似らしいです。
 この人の漫画を一言で表現するなら、「絵が上手すぎる」に尽きるでしょう。
 「ガロ」でデビューして4コマを始めてます。1ページに一週間とかバカみたいに時間をかけて作る芸術的な絵は死ぬほど綺麗でなんと言って形容していいんだかわかりません。現在は「ダヴィンチ」で4コマと、「コミックバース」でMarieの奏でる音楽というのを連載しているそうです。実際には見てないんですが(コミックになったら読もうという主義なので)、かなり期待してます。
 たまに「COMIC CUE」でも書いてて、中でも「月の書」あたりは感動しました。いい話です。
 でも、この人はやはりギャグ見ないと始まりませんよ。
 ショートカッツなんて必読。Palepoliはちょっと濃いというか読者を選ぶ傾向が大アリなんで、とりあえず一般的な女子高生を扱ったショートカッツを。コギャルに対する見方が変わる他、たった2ページで人を感動させたりする話の作り方には脱帽です。特に「たまごっち」が流行った頃に描いたのだろう話は涙なくして語れない。ギャグのはずなのだが。

 2005/8/21追記
 昨年までやっていた「π」の連載から絵柄が全然違ってきてしまって、あまりいただけない感じです。
 それでもたまに見る凄い書き込みとか発想とか、やっぱこの人だなーと思いましたけど。
 「自殺サークル」は映画よりコミックのがいいですよ。「Marie〜」は素晴らしかった。もう大変。
 とりあえず「π」以前の本、勧めときますね。



山下友美・藤田貴美/「花と狼の帝国」白泉社

 山下友美という人が好きです。というか、彼女の「モンスターDJシリーズ」が好きです。
 ヒューマニズムに溢れた臭いまでの演出がたまらなく好きです。随分古い本なので書店では見当たることはまずないですが、古本では多量に出回っているので入手は比較的たやすいです。その気になった方は是非読んで下さい。
 で、その人と別の人とか組んで描いたこの話はなんかやたら暗い、第二次大戦下のナチスドイツでナチに抵抗しようとした人々の話を描いた感動巨編になる・・・はずだったのだが。
 雑誌の休刊で流れたらしい。ムカつく。
 しかも中途半端に終わったその続きを、あろうことか98年冬コミで売ってたらしい。きーっ、買いに行けない奴へのあてつけかっ?!
 主役の母親は一体誰なんだ。折角これから資金のアテができて本格的に活動しようかっていう白バラの人たちはどうするつもりなんだっ。
 ヤヌシュは兵隊にならずにちゃんと新聞にポルノ小説載せるのか?!知りたいことは山積みなんだっ。
 
2005/8/21追記
 まあでももう、続きは絶対読めなくなってるし、諦めるしかないですね。
 知ったのが騒動終わってからっていうのがもう、私は本当に駄目だなあ。


上野顕太郎/「ひまあり」講談社

 よくぞここまで意味のないことを真剣に描ききった、と褒めたい本です。
 「無線傍受」という熟語、片仮名で書くと確かに「ムセンボージュ」・・・フランス語に聞こえるよな。