スポットに関する表面上の考察
於:2007年 ポンキッキ内スポットアンケート


 ということで、ちょっとした禁断の区域に足を踏み入れてみることにする。


 いや別に、「スポット」というものが禁断だと思ってるわけじゃないです。ただ、今更ぶっちゃけると、私の中にそれを語るに足る知識とか、記憶とか、知恵とか、資料とか、なんかそういうものが実はあまりない。ないってことは語れないってわけで、だったらこの領域に手を伸ばすことはちょっとした無謀行為ととれなくもない。ということです。
 なので、今まであんま触れませんでした。
 好きすぎてたまらんものについては触れてたけどね。
 アンケートを実施したのは、そーいう相変わらずの頼りなさとかあったせいです。視野狭いしなあ。語るにも少しくらい広げないと。
 ・・・・・という、そんな私の我がままを受け入れ回答いただいた方々、本当にご協力ありがとうございました。お礼を言うくらいしかできなくてすいません。
 ご意見等参考にして今後も頑張っていきます。
 で、さて。
 まず、スポットスポットと繰り返してますが、それは一体なんなんだと疑問に思ってる人に対しての説明を一つ。
 「文字や数字の意味、数の概念、色の名前などを30秒程度で紹介するというコーナーのこと」と、Wikipediaに書いてあったんで、まあ、そういうことなのだと思います。
 うーん・・・・・・そうだよなあ。私が説明しても、要約すればこういうことになっちゃうんだろうしなあ。
 この説明、無味乾燥していてつまんないんですけど、多分私の考えをだらだら書いてもきっとこの一言の簡潔な説明には敵わないだろうから、まあそういうことで納得してください。
 今でいうなら、NHK教育の幼児向け番組にそういうのが見られます。「日本語であそぼ」とか「ピタゴラスイッチ」とか。「おかあさんといっしょ」にはない、と言っておこう。あれはちょっと番組の趣旨が違う。
 ピタゴラスイッチのピタゴラ装置をまず筆頭としておいて、10本アニメもそれに近い。しかし、近いけどスポットとはちょっと違う気がする。あいつらはすげえ会話するからな。それならば日本語であそぼのあの意味不明な映像の方がスポットとしてなんかすごいと思うです。
 「スポット」でピンとこない人は、上記の番組をちらりと見てもらうといいかもしれません。
 ちなみに10本アニメの秀作は「一本でできること」に断定してるので、そういうことで。
 あれはじめて見た時、その鮮やかな展開に痺れた。あれはすごい。あの構成は簡単に見えてかなり難しい。そして何故かはわからんが「いっぽんでもにんじん」を思い出させる。
 タイトルが似てるからかなあ。


 スポットの定義はそのくらいにして、じゃあどこからとっかかろう。
 ・・・・・・と考えると、迷うというか少し困る。
 なので少し集計が遅れました。
 例えばですね、歌を題材にするのってスポットよりも簡単なわけですよ。
 歌は今までにもいくらかCD化されてるわけで、ごく最近のもので言えば30周年時に発売された2枚組CDだってあり、認知度は嫌でも高い。相手が知ってる割合が高ければ話がしやすいってもんだ。それに、そういうのがなくても歌詞や曲調、映像にタイトルを告げてみることで意識の共有は可能です。可能というか、簡単?ということか?
 「ベロベロバア」で伝わらなくとも、ちょっと歌ってみれば伝わるかも知れず、なにより、「歌」なので伝えやすく伝わりやすい音であり歌詞なのだ。
 翻ってスポットの印象ってどう語っていいものやら難しい。少なくとも私には。
 まずコーナーとして短い。どの部分を語ればいいのかわからん。音も歌もあるものだってあったが、「どきんどきんどきんってやつ」って言って何人がわかるのか。謎です。10から1へ数を数えてくもののバックコーラスは、私には、「いら〜ひぃ〜〜」って言葉の繰り返しにしか聞こえん。もっと明確な単語なのかもしれないが、わからない以上「いら〜ひぃ〜って歌ってるやつ」と表現するしかない。
 どうも難しいのです。
 そしてスポットが好きだという前提が、この語りづらさの苛々を更に助長させる原因になる。始める前からなんだが、どうもスポットについて的確な描写ができるって自信がないんだよなー。うまく表現できないとイラつくですよ。
 ま、今回に限って言うならば、アンケートを順番にまとめていけばいいわけで、ここでそう悩んで愚痴ることでもないですよね。
 とりあえず、中途で発言が苛ついてきても軽く流してください。お願いです。



第二回ガチャ撲アンケート集計結果
主題:スポットについてお聞かせください
1.基本データ
 開催期間は・・・・・・2006年11月下旬から2007年7月末までだったかな。大体8ヶ月ってところです。
 実施はこのガチャピン撲滅委員会のサイト上のみでした。
 回答人数は7名。私含めて8名ということで。
 全然回答ないこと覚悟して始めたので、答えてくれる方がいる度にすげえ嬉しかったです。そしてすっごいありがたい。ほんとにありがとうございました。────でもなんか、アンケートとしてその数で結論を出すのはちょっとどうなのかと、統計学的に躊躇してしまいそうな人数であることもまた確かなのかもしれんですね。
 まあいいや。覚悟してたことだしこのまま進む。
 性別の比率は男5:女3。
 年代は10代1名、20代3名、30代4名。相変わらず関西より西の地区の方々からの回答はございませんでした。ああ、私がいる。私だけでした、西の人。

 この辺のデータは本当に参考データなので、あまり本筋とは関係ないです。とりあえず「ひらけ!ポンキッキ」を見ていてそれを記憶している世代で考えれば、自然に20代以上の人が多くはなりますよね。番組終了が1993年だったはずで今から14年前。その頃の幼児たちが今20歳前後ってとこだろうから、まあ、それ以上の年代の方々が番組について記憶していていただけるのではないかと考えます。


2.好き嫌い
 答えてくれた方みんなスポット好きでした。
 というか、嫌いな人はわざわざ答えてくれたりしませんよね。そりゃそうだ。質問作りながらなんか変だとは思ってたんですが、一応体裁としてあった方がいいのかなあと思い挿入した質問です。

 みんな好きで良かった。
 ここで「嫌い」を選んだ人がいたら、多分、微妙にへこんでただろうな。私が。


3.印象深いものってあったのか。
 印象深いものがあるからこそスポットが好きなんじゃないかってことになるんだろうし、同じく無駄な質問だったのかもなと今更思ったりもした。
 案の定、みんな印象深いものがあるそうです。ちょっと嬉しい。

 言い訳させていただくと、もともとこの設問は、これといって特別に好きなものはないが、コーナー自体は好きだって人もいるかもしんないなと考え作ったものでした。そういう人もいるんじゃないかと思ったんだよ。いいじゃないか。
 まあ結果的に無駄な気を回してしまったみたいだが。
 とりあえず私が一番印象深いと思ってんのは、何度も言ってますが、「白いぶよぶよしたものが跳んだりしゃがんだりして横からくる丸いものをよける」というものです。彼の声がまたもう最高。もうすっごいテンション高くなる。
 ・・・・・・ああ、いや、これはまた後で、ちょっと触れます。


4.どのジャンルが印象深いか。
 今回のメイン。
 そして、歌に関してもジャンル分けしましたが、スポットに関しても分けさせてもらおうという企み。

 っていうかね、「ジャンル分け好きやなあ」とか言われてしまいましたけども(笑)、確かに私はカテゴリ作るのが好きという側面もないこたなくてまたかよと思われても仕方ないっちゃそうなんだけどさー・・・・・・・・・番組内に歌の数と同様スポットの数もアホみたいに存在するってことを思うと、やっぱ、整理して分類わけしてしまいたくなるじゃないか。
 ほんと、数はかなりありますよ。どうしていいのかわからなくなるほどに。
 そしてその大半をきっと私は見てないか覚えてないのだろうと思う。もったいない。
 なんにせよ、「国語っぽい」とか一応題目をつけとけば、なんとなく「こんなのもあったよな」と思い出せることもあるかもしれない。語るにも「国語」と分類したものだけに言及するのはなんとなくやりやすそうな気がする。まあそんな、私にとって都合のいい分け方をしてみました。
 勝手にカテゴリ作ってどれがいいって聞かれても困ったかもしれないですよね。
 でもまあその辺は、郷に入っては郷に従えってことで勘弁してもらおう。
 そんなカテゴリは以下の12にわけてみました。

 「ない/国語(平仮名の読み等)/英語(アルファベット・歌等)/数字(数え・多さの比較・仲間分け等)
 社会(しつけ等)/理科/芸術/クレイアニメ/プゥちゃん/えくぼおうじ /不条理系 /その他」

 この分け方、妥当な部分とそうでない部分ってありますわな。
 わかってる。芸術とクレイアニメは同種なんじゃねえかって言いたい人もいるだろう。
 しかしこれに関して言えば、どうも以前のアンケートで「クレイアニメ」にわざわざ言及してる人がいたりしたし、思い返せば確かにそれは他と一線を画してたような気もするし、分けた方がいいかなと思ったんだ。
 なにかあれは、いい悪いは別にして、変に印象に残るものではあったようです。私もあのコーナー始まるとなんとなく見入ってたものだ。素直に「すげえなあ」と感心したこともある。
 そんな私目線で作られたカテゴリで選択されたのは、以下の項目でした。

項目 人数
国語
数字
クレイアニメ
芸術
英語
社会
その他






 ちなみにこの中の数字に私の票は入ってません。
 入れるとして、そうだなあ・・・・・・強いて言えば、「えくぼおうじ以外全部」ということになりそうなので、足さないことにとしときます。桜小路票を加味する場合、上記の表に一ずつ足してくとそれっぽくなると思う。
 で。
 この結果に関して言えば、まあ、こんなもんなんだろうなあってとこで落ち着きそうだ。数が多く作られれば必然その中に当たりがでる確率は高くなる。国語系のスポットはたくさん作られただろうし、その中に秀作がいくつかあってそれが印象に残ってるってことは別に不思議なことじゃない。数字にしても然りで、言葉と数字に力をいれてた番組としては妥当な線ではなかろうかと。
 次にクレイアニメがきてるのは、終盤に多く見られ比較的記憶に残りやすかったってのもあるんじゃなかろうか。
 いやそれ以上に、あれは面白かったと私は思うよ。不思議で愉快だったもん。


 じゃあ数字上の話はそこまでにしておいて、スポットの詳細について挙がってたものを列挙していきます。
 以下が、今回協力していただいた方々に、強く記憶されてるスポットです。多くある中からこれらを選び、わざわざ書いて教えてくれるんだから、きっと余程印象強いんだろうなあ・・・・・・と読みながら思ってました。
 結果として、なかなか興味深い感じになってる。
 順不同で挙げていきます。

1.早口言葉関係。「しかもかもしかもしかだが・・・」等。(2名)
2.浪曲風の音楽をバッグに、ちょんまげ?つけた魚がフンするのを数えるやつ。
  数え終わったら数人の男声で「ありがとーございましたー」って声が聞こえる。
3.黒バックに緑の線が伸びてきて、その線がどんどん枝分かれして、最終的に一本の木になるもの。(2名)
4.白いぶよぶよが飛んでくる玉をよける。(2名)
5.CGの円錐と円柱が並んで配置されていて、それが回転して、二つの物体の違いを教えていた。
6.ビートルズの曲と共に流れてくる英語。レースのカーテンが上下にあり、その真ん中で踊る文字たち。
  そこにビートルズの「カモン!」が流れる。

7.80年代以降のスポット。BGMで聞いたことのない洋楽や邦楽のさわりが聴けるのが印象的。
8.「3とぉ〜7〜」とか言ってる数字系のもの
9.(特に)ビートルズ音源使用モノ。「Please Please Me」と「Please Mr.Postman」をつなげたものが
  良かった。全般に言えるので、好きなのは音楽系?のものってことか。

10.「どきんどきんどきんっ」て言いながら紙に書いてある猫の絵を山折り谷折りしたら、折った時に
  ネズミの絵になってあら不思議、ってやつ。
11.「こ」を捜す母と、「こ」に間違われる「い」の話。
12.こんなときなんていうのおじさんの存在。

 10番以下の意見は桜小路です。
 やってることはどうでもいいのに、「どきんどきんどきん」の歌が頭から離れない。あれはすごい。
 上記の中で、「そういやあれ好きだった」って思い出すものもあるんじゃないでしょうか。
 んー・・・・・一般論として、スポットの好みなんてのはやっぱ人それぞれですよね。クレイアニメが冗長だと感じる人もいれば、あの流れの展開が素敵と思う人もいる。猫が何度も飛ぶのがうざいと私は思うが、あの飛んでる猫が超可愛いのであれがいいと言う人もいるだろう。
 終盤の英語関係はクソだと思うが、あの中途半端な英語歌こそが素晴らしいって考えの人もいるかもしれない。跳ねてる白いぶよぶよを気持ち悪いと感じた人もいただろう。
 意見は色々ありますよ。
 しかし。
 不思議なこともあるもので。
 1・3・4の語尾に「2名」ってついてますよね?あれって、このスポットを挙げた人が2名いたってことなんです。
 3箇所も。この人数で意見がかぶるって結構すごくないか?
 言い直せば、こんな万人に平等に強烈な印象を与えるモノを作ってたこの番組はやっぱすごくないか。
 ここで2名かぶってるってことは、人数増やせば単純計算であの白いぶよぶよを気に入っていた人がものすごい数いるのかもしれない。そうだ!同志が!あの白いのを愛していた同志がもっと他にいるのかもしれない!
 あれはすごくいいものだしな!
 あの「ぃやーっふぅ」「はふふふん」みたいな声を真似るどころか、私、高校生なのにあいつに合わせて跳ねたりしゃがんだりしてましたからね。あれは多分不条理に見せかけた、順番とか規則とかそういう算数的なものなんじゃないかと思ったりもするんですが、そんなことはどうでもよくてあの奇声と行動とぶよぶよ具合が乙女のハートをわしづかんでくれてたわけですよ。
 そりゃ跳んだりもする。
 そういう同志がどこかにいるってことなんじゃあないですか?ねえ?この偶然はそれを示唆する。そんな変態はいないのかしら。
 いるかもしれん可能性が見えただけ、アンケートやった価値もあったってもんです。嬉しいなあ。
 それに、「緑の線が枝分かれして木になる」ってもの。これも2人の方が挙げていたってのはちょっと驚いた。私はこれ見た覚えないんだが、最近縁あって見ることが出来てたんですよね。あれは確かに何か不思議に気持ち悪くてでも綺麗で妙に印象に残ります。よくわからんがなんかすごい、という。
 うちの姉も「ああこれ知ってる」とか言ってたし。
 やっぱ印象に残るものってのはみんなに残ってるもんなのかもな。
 円錐と円柱の違い・比較のものは、他の図形とかでもやってたように思う。「これとこれは似てるけど違うものだ」ってのを説明するのを視覚に訴えるのに、並べて見せるのは一番早いしわかりやすいやり方なんだろうと見るたび思う。
 あとは────やはりそこは避けて通れないのだろう、ビートルズの存在ですね。
 ムックのモデルになったとかならないとか、そんな話も聞かれたりもしますが、音楽的な要素がやはりスポットに入ってるってことらしいです。情けないことに私はあんま詳しくないので偉そうなこと言えませんが、数々のものに惜しげもなく使われてたって話なんですよねえ。
 その辺りのことに触れている方が3名いらっしゃいました。(青字部分)
 ポンキッキとビートルズ・・・・・・いや、ビートルズ含め音楽全般というところで、二者は切っても切り離せない強いつながりがあるのだろうな。スポットには当然BGMが入ってて、それはただ入ってるってだけじゃ大したことはない。えーと、なんだっけか・・・・・・「スクールウォーズ」の主題歌の『ヒーロー -Holding Out For a Hero- 』だっけ、あの曲の前奏に合わせて何かするスポットあったよね。数のものか言葉のものか忘れちゃったけど、あの妙なキレの良さは異様に耳に残るし記憶にも残る。スポットの展開は忘れてしまったが、とりあえずリズムが小気味良すぎて好きでなくてもなんとなく注目させられる。
 あー、うん。
 「注目」。
 これは、幼児向け番組において重要なことだ。
 子供はじっとしてない。じっと画面を見続けさせるのは困難だ。そのための細かい気配りってのはあって、BGMもそうしたことの一端を担ってたのかもしれない。いやむしろそうだったはず。
 なんかそんなBGMに関する上手いアレンジも含め、そしてそれらがあるからこそ、ポンキッキのスポットはレベルが高かったのだろう。
 そんなだからこそ、私がどうしても歌詞に固執してしまうと同様、音楽の方に重きを置く人がいるのも当然の話だよな。
 すげえ短い中で、印象に残るちょうどいい、けれど邪魔にはならない音を選んで使ってるってことですよ?それらを満たす条件でちゃんとやってるってのはもう、すごい以外になんて表現していいものなのやら。
 そんなようなことを改めて考えさせられるアンケートでした。
 曲については深く考えたことってなかったし、改めて見つめなおせるいいきっかけになったですよ。
 やってよかった。


 以上が、今回のアンケートの結果とそれに対する桜小路の感慨でした。
 歌詞ばっかに目がいくが、やっぱ音もちゃんと聞かなあいかんよなあと思い知らされたりもする。聞いてないわけじゃあないし、好きな曲もあるし、ないがしろにしてるわけじゃあないんだが、やっぱどうも二の次になってることは否めないもんで。
 あー、ビートルズ、聞くか。今更だけど。


 スポットの一つ一つに、作った人々の工夫がいっぱい詰め込まれてます。
 絵も音も構成も画面にある全てが、昔の偉大な人たちが作った貴重な教育ツールです。そして娯楽ツールでもある。あのアイディアにはきっと一生かなわんだろうなあ。
 随分昔に終わった番組の中にあったほんの数秒の映像を、未だにこうして覚えている人たちがいるっていうのは、それだけですごいことじゃないですか。
 今後は、そんなすごいものについて、いろいろやっていこうかなと思っとります。
 今回ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
 愛想つかされてなければ、次回もまたよろしくお願いします。


2007年8月21日
協力:アンケート参加者様


お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
集計に関するテキストは以上です。期待通りのものになってるかなと
かなり緊張してます。
駄目だったらごめん。ご意見あればご連絡ください。
今後ともよろしくお願いします。