ちょっとした思い出話(閑話休題とも言うかも)
〔日本放送協会を除いたテレビ局についての個人的な感想です。〕
民放で作られる幼児番組って長続きしないよなあ、と思う今日この頃。
こんな偉そうなこと言ってても、別に熱心に視聴してるわけじゃあないので本当のところは知らないけれども、確実に長続きはしていない気がするのですな。
ウゴウゴルーガって番組あったじゃないですか。
「ノンタンといっしょ」のアニメを流してたやつ。それ以外の情報はとんと知らないのだが、とりあえずそんな奴です。
あれって私の気が確かならば、広島では早朝5時の枠で放送してたんすよ。恐らく普通の子供は深い睡眠の沼の底にたゆたっている時間に違いない。子供相手の番組にこんな常識がまかり通ってもいいものなんだろうか。っていうか、現在の夜中や早朝にやってるアニメにも同じことが言えるが、まあ別にいいよもう。諦めたし。
その問題のウゴウゴルーガにしても数年たったらなくなったらしいじゃないですか。
私の周りの人が少なからず憤慨していた記憶がありますが、とりあえず長続きしなかったんだな、という印象を私に与えてくれました。
日本放送協会の番組ってのは、大体にして「教育番組」なわけだし、題名変わってもやること一緒で延々と続いていくものでしょう。「じゃんけんぽん」という番組の内容が「ブラッカブロッコ島」から「ざわざわ森のがんこちゃん」に変わったところで、ほとんど訴えたいことは一緒だからそりゃそれでいいんですよ。
ただ。
民放における「幼児番組の終焉」は、「もう幼児番組なんかしねーぞ」という態度にしか見えないんですな。
アニメはまた違う部類だけども。
そういう私の意識から考えると、ポンキッキって気違いみたいに長く続いたもんだよなあと思わないでもない。
ポンキッキで何が良かったかって、日本放送協会にはない時代に即した垢抜けた感じですな。あちらは本当に「保父・保母が幼児を面倒みますから、親御さんたちは安心しててね」という雰囲気がバリバリに感じられるのだ。私の中で。子供だってえらくわらわらと出てきて兄さん姉さんの周りで踊っている。要するに、保育園や幼稚園のまんま延長線上に番組はあるわけだ。
だがポンキッキはそういう感じには見えない。
使用される曲も千差万別だし、童謡みたいなものはあまり見られない。なんというか子供の感性に訴えかけるようなものが多かったような気がする。
まあ、そりゃ私が単にポンキッキを半ば全面的に肯定しているという、言葉にすると複雑な事情があるからなのだが。
で。
そんな中で、ポンキッキ以上に私の記憶に残る番組がある。
勿論幼児向けの番組だ。民放の。っていうか、多分、幼児向けだと思う。そうとしか考えられないようなことをしていたから。
局はどこだか忘れたが、ポンキッキとは違うとこだったと思う。時間帯は朝7時45分から8時30分くらいまでで、もろにポンキッキに対抗心を燃やしていただろうことが感じ取れる。
本当は。
もし、その番組が番組改編の修羅の中で生き残って今なお続いていたとしたら、私はポンキッキよりそっちに首ったけであったことだろう。別にポンキッキが駄目ということではない。インパクトが強すぎなのだ、問題の番組が。
題名を「パックンたまご」という。
15年以上前の話なので私の記憶もかなり薄れているから正確な話にならなくて申し訳ないのだが、ひらけ!ポンキッキの何が「ひらく」のかわかんないように、パックンたまごも何がどう「パックン」なのかは終ぞ知りえなかった。
なにより、パックンたまごは半年も続かなかったのではなかろうか。
私の中では、夏休みが始まる少し前から夏休みが終わるまでの間という感覚しかない。もしかしたらもっと長くて、私の知らないところで一年くらいはやってたのかもしれないが、記憶にないってことはそれだけ地味で短かったということだろうと思う。
まず、その番組の何がいいかって、オープニング。
画面の絵として
こんな感じの画像が出てきた。私の表現がなんだか気持ち悪いが、おおまかなとこ、こうだったとおもってもらいたい。
真中の水色のヤツが主役で、
「空から たまごが たくさん 降ってきたよ / 水色たまごは おしゃべり たまごなのさ」
という歌詞にあわせて右から左へと歩いていく。
多分彼らはたまご人間だ。いろんな色のたまごがあるが、今回の主役は水色くんだったのだろう。まずこのオーブニングが好きでした。背景を灰色にしてますが、もしかしたら黄色とかピンクとかもっと暖かい色だったかもしれません。
そして何よりこの番組が特異だったのは、総合司会ともいえる位置にいる人間が大竹まこと氏であったことである。同姓同名じゃないよ。本人。
ポンキッキに似た番組構成の中、たまに子供たちのいるところに大竹まことも一緒にいるんですよ。考えられます?幼児番組にあの人が。
「この番組は長続きしないかもね」というのが、これを見たときの我々姉妹の共通意識でしたが、ほんとにそうでした。いつのまにか終わってた。
他のコーナーとしては、「えっへんコロ」というのがあって、犬の着ぐるみ着た気持ち悪い男と、普通の人なんであろう気持ち悪い男の人がパントマイムで何か意味不明なことを熱演していた。
壁とかのパントマイムとかあるじゃないですか。あれが凄く上手かった。
だがそんなことより、コロの気持ち悪さに目が奪われる。
気持ち悪いけど人気あるような人っているじゃないですか。そんな感じ?そのコーナーは毎日あって、最初は嫌悪感を覚えるけど次第に慣れてくるというところが恐ろしいところだ。えっへんコロは好きでしたね。確かに。
あと、この番組ってあんまり歌は流れません。唯一記憶に残るのは「マイムマイム’89」みたいな感じの歌。ピーマンっぽい緑色のものとかが踊っていた気がする。
今考えると歌詞がいいんですよねー。
「この広い世界中に生まれてよかった/泣いても笑っても素敵な君さ」というのがサビだった気がする。深い言葉だ。幼児番組のくせに。
んで肝心なのがお料理コーナー。
この番組のすることだから、まともな料理なんて紹介したことなんてない。
そんな中、「長いお弁当」だか「深いお弁当」だかいう弁当を作るときがあった。その回だけは何故かまともに料理していた。普通にごはんつめて、おかず作って、何が長いのか深いのかわかんないけど、机の上には普通の弁当ができあがっていく。
作ってた男の人が「はいできあがりです。食べてみましょう」と言って弁当をほじくり返していった。
「あれれ〜」
なんて言いながら、彼はずっとずっと弁当を掘っていく。
おかしいなあ、と言っておもむろに机の上にかけてあったテーブルクロスをばさっとのけるとそこには……
床まである容器が弁当箱から伸びていて、その中にごはんやらおかずやらがびっしり詰まっていた。
おお、確かに「長い弁当」だ!!
………っていうか、なんかね。
ベタなオチでしょ。
でもその場面を実際見たらいいと思うよ。可笑しいというかなんというか、とりあえずびっくりしてました。私は。
何よりもそのことを思いつき、実際米を詰めていったであろうスタッフの心意気に泣けます。
そんな馬鹿なことばっかやってた番組でした。
期間が短かったこととか、もうずっと昔の話であったとか、そんなことで詳しく正確に語れなくてとても残念な気持ちはわかってください。
パックンたまごは今でも好きで、もう一回見たいなあという気分になります。
記憶は美化されてるはずだから、期待してたら馬鹿を見るでしょうがまあもう見ることもないだろうからとことん美化しておこうじゃないか。
パントマイムと料理コーナーと大竹まこととオープニング。
たったこれだけしか記憶にないのに好きだと言い張る私もなんだかすごいけどね。
続いていればポンキッキを凌ぐ番組になったと思う。勝てたと思うんだけどなあ、やっぱり伝統と革新に満ちた緑と赤の妖怪の番組には勝てませんか。
しかし。
ここまで当然のように「幼児番組」だと言い張ってきた「パックンたまご」。
本当に幼児向けだったんでしょうか。
実はそんな基本大前提でちょっと首を傾げていたりします。ただ明らかに小学生の目から見て幼児向けだと思ってたんだからきっとそうだ。そうに違いない。
勝手に確信しておいて、次なる段階に進みましょうか。