だからほんとにちょっと思い返してくださいよ。
扱いと態度に関する基礎知識

 ガチャピンは優遇されすぎてやしないか。
 誰もが一度は思い、また私が今まで何度も言及してきたことを繰り返すようで悪いが、彼は本気で優遇されている。力一杯大事にされている。好かれて構われて祭り上げられて話題になって、一体なんだってこんな格差がでているのか腹立たしくて仕様がない。
 だからこそ私はこいつを気に入らないのだし、実際はそこまででもないだろうに変に謙虚に見えるムックを応援したくてたまらなくなるのだ。
 何故みなガチャピンを好むのか。
 その話については何度も語ったので詳しい解説は過去の駄文に委ねる。
 ただその中で一つ注目したいのは、「ヤツが画面に出すぎだから」ってのだ。外国に行くのもチャレンジャーな感じなのもいろいろと全てガチャピンであって、ムックは声だけで、じゃあ彼らの立場が逆なら今の状態はひっくりかえったのかって話になるが、そりゃよくわからないけど────「出すぎ」ってのは一つの指針である。
 好かれているから起用されるのか。
 起用されたから好かれるのか。
 どちらにしたって好かれてるし起用されてるのは間違いない。
 そんな彼の評価ってのの中に、「彼はチャレンジャーだから」というものがある。いろんなことに挑戦し、しかもこなしてしまうところが尊敬の対象になっている。確かにあの体格とか手足の感じからあれだけのことをしてしまうのはすげえと私だって思う。
 そんな無理するくらいならムックにさせればいいだろうに。
 だがね。
 みなさんガチャピンのそんな変な身体能力に目を奪われすぎではないだろうか。ただもうあいつのそーいうとこだけ、見えてやしないでしょうか。
 確かになんでもできるかもしれない。
 身体能力はずばぬけちゃってるかもしれない。
 でもそうじゃないんですよ!ヤツの真実の姿ってのはそういうとこにゃあないんですよ!騙されるな!気付け!・・・・・・・・・というわけで、今回は私なりの彼の真実の姿に迫ってみようというチャレンジ企画であります。
 ご一読くだされば幸い。


(歌とか資料とかくださった方々には深くお礼を言ってもいい足りません。ありがとうございます)
 ガチャピンは甘えたがりだ。
 「ガチャピンの子守唄」においてもヤツはいいメを見ている(夜、ガチャピンが眠れないのでお姉さんに子守唄を歌ってもらったらしい。その歌のこと)。眠れないって姉さんに迷惑かけてんじゃねえ!ムックの隣でおとなしく寝てろっ・・・と文句の一つも言いたくなるよね。
 まームックが「眠れないから子守唄を歌ってくれれば嬉しいですぞ」とかって甘えている姿というのは想像できんので、その点は仕方ないのかもしれんが。完璧にそげな印象を植え付けた番組・・・いやガチャピンの勝利なのかこれは。
 そんな点も彼が起用されやすい所以なのかもしれませんね。
 さて。
 チャレンジャーであったりおっちょこちょいであったり甘えん坊すぎたりするこの妖怪、実際その本質はどうなんだかっていうと、そこはきっぱり言わせてもらえるならば「計算高い男」ってことになるだろうか。
 もしくは「要領のいい男」っていうか。
 気付いたのはね、やはり歌なんですよ。
 例えば「もえみ姉さん・やまちゃん・なおちゃん・ガチャピン・ムック」みたいなメンバーで歌われているようなもの。
 ガチャピンの声が、聞こえないんですね。
 かすかに高めな声が聞こえるのでそれかなあって思いはするんだが、どっちかって言ったらムックの方の声が聞こえる。まあさらに兄さんたちの方がよく聞こえるわけで、この点に関しては実際のとこ「歌が上手い者の声がよく通る」っていう話で終わらせられるものなのかもしれない。
 そう思ったから、ガチャピンの声がそんなに聞こえなくても、まあ、仕方ない話なのか?って思ったりもした。
 ただどの歌聞いてもそんな感じなんで気になっちまうんだよ。こいつやる気あんのか?適当に歌ってんじゃねえか?などといらぬ勘繰りをやってしまう。
 大体、もえみ姉さんやいずみ姉さんとお別れって時の歌、あの歌だってほとんどガチャピンの声は聞こえなかった。おまえ実は姉さんなんてどうでもよくて、適当ぶっこいてんじゃねえだろうな、と思われたって仕方なかろう。後の会話で
 ガ「とうとういずみ姉さんとお別れのときがきちゃったねー」
 ム「時間が止まればいいんですけどねえ」
 ガ「うーん」

とか言ってて、なんか字面だけ見ると「別に時間止まんなくてもいーよ」って言ってるみたいだし。本当は「そうだね」って意味なんだろうけど。そんで
 姉「ガチャピン、新しいお姉さんと仲良くするのよ?」
 ガ「え?ああ・・・うーん────仲良くするー」

って会話が続いていくんだけど、おまえ今さらそんな可愛く見せたって駄目だ!歌であんなやる気なさそげだったじゃねえか!・・・・・・と言いたくなる。その上いずみ姉さんの話題の振り方が気になる。
 仲良くするのよ?って念押ししたくなるくらい、こいつは姉さんとあまり仲良くしたりしないんだろうか?
 それでいずみ姉さんはずっと苦労してたんで、次の姉さんのためにお願いしたんだけど、ガチャピンはそれを「うーん」とかうなって快く承諾できねえって態度を示してるんじゃねえか。
 下手な想像の翼はどこまでも広がりそうだ。
 そんないたらん妄想を助長するのが、三輪優子歌うところの「よろしくね」
 三輪優子がお姉さんとなり、早く慣れてもらうための自己紹介用の歌だというのはご存知の通りだが、この中で何度かガチャピンとムックが台詞や合いの手を入れる個所がある。最初の
 「私の名前はみわゆうこ 早く友達になりたいな」
というところで、「なりたいな」の直後二人がコメントいれるのだが、ムックの「お願いします」に対し、ガチャピンは
 「・・・そう?」
だったりする。「そう?」ってなんだ。嫌なのか。本当は嫌なんだな?!
 いろんなことを想像させてくれる憎い男ですよ、ガチャピンさんは。
 ねえ?なんかこいつのこと、信用できなくないですか?言うなれば、「すごいよ!!マサルさん」って漫画のメソのようなさー・・・こう────可愛いけどすごく怪しいっていうか、そんな感じ。
 心の奥底では何考えてんのかわからない、たれぱんだみたいなヤツじゃねえか?
 ・・・・・・ってね。
 ────まあそんなことつらつら語ったところで、こういうのは受け取り側の意識の問題という部分もあり、私だからこそこんな極端なまでの解釈をしているのかもしれません。
 いつものことです。
 が、私はとうとう見たんですよ。ヤツの本性みたいなもんを。
 「ガチャピン・ムックのクリスマス」ってビデオが世の中にあるじゃないですか。いわゆる、「みわゆうこ版ハッピークリスマス入り」というチャレンジャーなビデオね。
 このビデオに対しては2、3言いたいことはあるんだけど、それは一先ずおいといて、ガチャピンの動向に注目したい。
 一応ストーリー展開みたいなのがある。
 もえみ姉さんとクリスマスを楽しもうと「クラッカー」を手作りし始める。あの折り紙とかでおる、思いっきり振ったら「ぱーんっ」て音のするクラッカーってのとはなんか違うけどそういう音の出るものあるじゃん。それを作って試しに音を出してみたら、その音のあまりの大きさにびびってガチャピンムックは気絶してしまう。
 で、起きてみるとそこは見知らぬ家。
 なんとサンタクロースの家で、サンタは今からプレゼントの配達に行くために、最後の追い込みに入ってるとこだった────。

 プレゼントを袋詰めしているサンタの姿を見て、ガチャピンは
 「大変そうですね」
などと言う。あまりに忙しそうなので、ムックが「お手伝いしましょう」と申し出、ガチャピンも「じゃあ僕も」ということで二人はサンタを手伝うことにした。
 そこまではいい。手伝うがいい。
 けれど、「手伝う」と申し出たガチャピン、何を思ったのか

 全く関係のない方向へ歩き始める。ムックが手伝っている中、明らかにサンタともプレゼントとも関係ない方向、関係ない空間を見ているようだ。なにをやっているんだこいつは。
 傍観してると、彼は

珍しそうなマシンを見つけた。テレビのようだ。
 そんで、ここから、「このマシンは何か」と尋ねサンタの邪魔をし、ここからまた少しイベントを経ていくのだがその先のことはどうでもよろしい。
 ここで重要なのは、「手伝う」と申し出ておきながら何もせず、あまつさえ人の仕事を邪魔していやがるというその状態だ。手伝い続けるムックがいやに健気だ。いいヤツだ。大体手伝いを言い出したのもムックであるところから、なんていいヤツなんだろうとムックの株は急上昇だ(私の中で)。
 進行上仕方ないという大人の事情もあるかもしれないが、それなら彼だって手伝いつつも辺りを見回しソレを見つけるという方法だってとれたわけだ。ってことは、もともと彼には手伝う気なんてさらさらなく、ムックがそんなこと言い始めたために「ちきしょうめんどくせえこと言いやがって。このまま無視してるんじゃオレの印象激悪になっちまうからとりあえず手伝うって言っとけ」とか考える計算高い人に思えます。
 更にさぼって新たな話題を見つけることにより、「手伝い」というものを有耶無耶にしている。
 ずるくないか?これ。
 その後このサンタの家ってのは夢落ちで、目覚めてからもえみ姉さんと改めてクリスマスを祝うことになる。ケーキに蝋燭をたてるときも、「電気を消してきましょう」と細々と気付いて動き回ったのはムックだった。電気を消し蝋燭の明かりの中クリスマスを祝うわけですが、ガチャピン結局何もしちゃいない。
 何故ムックだけがてきぱき動くのか?もしくは動かされてるのか。あまり動きそうにないという印象の割に、こういったとこで動くのはムックの方が多いようだ。
 働き者じゃん、ムック。その老成っぷりはこんなとこからきているのだろうか。
 にしてもガチャの野郎、手伝わなくても、動かなくても責められない。むしろそれに気付かれないようにうまく立ち回っているフシがある。
 ・・・・・・うっわ、すっげえヤなヤツじゃねえ?
 こーいうのたまにいるじゃん。なんかなんもしてないのに可愛がられるとか、好かれるとか、楽してるとか、理不尽なほどの立ち回りのよさで労せず快楽を独り占めみたいなの。
 歌だって適当やっててもばれず、ムックと対等に扱われているわけだ。しかも相方以上に可愛がられて。
 きっとどこかでそんなことを感じてたから、ガチャピンのことを嫌っていたのかも知れないね。

 とにかくこいつは本気で可愛くないんです。
 計算高くて要領がいい。なんだか腹立つ妖怪なんだ。
 騙されないようにしてください。
 あの丸い体、くりくりした眠そうな目、自分が可愛く見えると知っているからこそ、体全部を武器として周囲に取り入る力は人一倍だ。
 甘えてきても何しても、「こいつの行動は計算されている」を前提に受け止めなければならん。
 そうしないと────ヤられるのはあなたなのですから。


 これが私の、「ガチャピン要領良すぎ説」の根拠となるものです。

おわり
2004年1月1日

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