「ひいいいい、怖い〜」と
初めてこんなに真剣に思いました。
−国家秘密組織はヤツを抹消した方がいいと真剣に思うがどうか。−
怖い!
ヤツはやばい!
あっちのが好み☆と思ってる人は考え直せ!
確かに私は今までいろいろ言ってきた。ムカつくとかひどいとか目立つなとか蹴落とせとか、ここのサイト名が「撲滅」を謳っているのだからそれに準じたことを主張してきたつもりだ。それらは嘘ではないし、私はヤツが好きじゃなく真剣に少しの間でもいいから消えて欲しいと思っている。
そう考えるのはヤツが消えなければその相方にスポットがあたらないからであって、実際のところ2人が平等に普通に扱われていたのならそんなこと思いはしなかったのだろう。今となってはわからないことだが、振り返ってみてそう結論していた。
要は「いてもいいけど出てくんな」と思っているが、いれば出てくるんだからなんのことはない、元を絶つと言う意味で撲滅してやれや、という話だったのだ。えーっと、今まで出てきた考え方と違う場合があるかもしれんが、今現在はそういうことなのだ。勘弁してくれ。
でもね。
撲滅した方がいいよ。ほんと。怖いから。
ガチャピンはマジ怖い。ムックの朴訥さを少しぐらいわけてもらえ?
はい。
話の焦点は歌です。ガチャピンが1人で歌っている曲で、かなり昔のものではないかと思う。私はこんなの一度も聞いたことなかったし、もし詳しい方から教えてもらわなければ一生知らずにすんでいただろう。
「たべちゃうぞ」
というのがそのタイトル。曲リストをチェックしてもらえば載ってます。タイトルは知ってたけど内容がこんなだとは知らなかった。歌手名が「矢沢邦江(ガチャピン)」となってるけどそこんとこは気にするな。
幼児がテレビで曲聞いてて、「あ、歌が矢沢邦江だからこれはガチャピンではないのか」と冷静に判断すると思うか?聞こえてくる音が即ガチャピンの声につながるなら、これはガチャピンの声であり主張なのだよ。成長していろいろ認識できるようになって、その上で説明されたなら「矢沢邦江が歌っている」でおさまるが、やっぱ幼児的には「ガチャピン」と理解するだろ、普通。ま、カッコ付でガチャピンって言ってるしな。
タイトルを見たときに想像する内容って、例えば「おなかがいっぱい」的なものじゃないっすか?
おいしそうな料理(お菓子とかなんでもいいが)があって、それが美味そうなので「食べちゃうぞ」と言ってるような雰囲気ですよ。一応幼児番組なのだから、そーいう路線で考えませんか?「おなかがいっぱい」だって聞いたことなくても「うまいもんくって腹いっぱいですよ」みたいなほんわか系を想像するじゃないか。
私だってそうだ。
だから、「ガチャピンオンリー歌というのが嫌だがまあ聞こうか」というノリでした。
イントロ。
・・・・・・・・・演歌?演歌調か?これ。
ポップでもハードでもバラードでもなく、演歌だ。なんというかな・・・「ワッショイまつりっこ」ほど激しくはなく、童謡と民謡を足して演歌でアレンジした感じ?
前奏では小声というか囁き声で「たべちゃうぞ/たべちゃうぞ」と女性の声。
そして始まる恐怖の宴。
全歌詞は以下のとおり。ただし、耳コピなので確かでない部分もあるけど。
@たべちゃうぞたべちゃうぞ いたずらする子はたべちゃうぞ
バターたっぷりぬりつけて お砂糖ぱらぱらふりかけて
大きな大きな口あけて たべるぞどの子 どの子にしようか
じゃんけんぽんよ勝ったら食べろ 負けたら逃げろ
Aたべちゃうぞたべちゃうぞ こなべにゆでてたべちゃうぞ
頭の方からなげこんで まだまだぐらぐらぐつぐつ
おいしいスープのできあがり 食べるぞどの子 どの子にしようか
じゃんけんぽんよ勝ったらたべろ まけたら逃げろ
Bたべちゃうぞたべちゃうぞ 眠ってる間にたべちゃうぞ
おもちゃ大事にしない子は 壊れた自動車汽車
仕返しやってくる夢の中 食べるぞどの子 どの子にしようか
じゃんけんぽんよ勝ったら食べろ 負けたら逃げろ
じゃんけんぽんよ勝ったら食べろ 負けたら逃げろ
何が怖いって、ガチャピンの声が怖い。
いやそりゃ聞いたことなければわからんだろうが、微妙に笑みを含んだいかにも「わしゃあ企んどるけえのお」と言わんばかりの声が怖い。
これがはきはきした通りのいい明るい声なら全く印象が違っただろうに(はたらくくるま海賊版とか、あーいうのでも声が明るければ負の印象は少ないがそういう感じ)、囁くような笑みを含んだ濁った声のいたずらしちゃうぞ〜ってな雰囲気を出し損ねて単なる変質者になってしまった声音はとても怖いです。
そんな声でこの歌。
@ではまだ理由が明示してあるからマシだ。にしても「バターたっぷりぬりつけて」「砂糖をぱらぱらふりかけて」食べるってあんた食パンかなんかか。ガチャピンがいたずらする子をひっつかまえて、調味料をぬりたくり頭からガシガシ食ってるところを想像してくださいよ。
更にAに至っては何故食われるのかさっぱりわからん。@の「いたずらする子」からの引き継ぎなのかもしれんが、そんなの置いといて「どのように調理するか」に表現を費やす力の使い方はどうだ。すげえよ。
駄目押しのBでは「眠ってる間」に食べられる。抵抗する間もなくだ!すんげえ怖ぇ!
問答無用でバターぬられて鍋で煮られて挙句の果てには気を失っているであろう彼らの夢に皆が仕返しにやってくる。
なんつーか・・・慈悲とか情けとかそんな言葉どこかに忘れてきてるよね。
いたずらっ子は確かに罰を与えた方がいい。
しかし罰は罰であって死刑ではない。
この歌の前提は「食べられる」ことだ。ものすごい究極的な罰だ。しかも食べ方を予告してくれる。それから逃れる方法はただ1つ。
ジャンケンです。
────おいおいおいおい、そんな昔話や童話や児童書じゃないんだから、人生の一大事をジャンケンで決定していいのか。お?それともこの辺りが慈悲か?
ここで解釈が異なってくるのがラストの一文、「じゃんけんぽんよ勝ったら食べろ 負けたら逃げろ」。
@ジャンケンで勝てば見逃してくれるうえに食べる側に回れる
Aジャンケンに勝ったヤツを食べるから、負けたヤツは後回しにするんで逃げたければ
逃げろという呼びかけ
私は@だと解釈します。
問題ですね。Aだとしても問題と言えばそうなのだが。
ともかく、いたずらする子をお仕置きしたいわけだろ?そのお仕置きは即ち死に直結するわけだが、それを回避する方法はおそらく捕まった者たちの間で行われるジャンケンで、それに勝てば食べられることはなくなるうえに、負けたヤツを食っちまうことができるのだ。
いいのかよそんなことで・・・。
最も悪いヤツって悪運強そうだからさー、絶対食べられることはなくいつも食べる側に回り、そんな過酷な経験を何度も重ねて強くなって最後にはいたずらっ子から進化し犯罪者の首領として人生を終えそうな気がするのですが。
どっちにしろポンキッキの歌としてこんなに怖い歌聞いたの初めてだ。っていうか怖い歌として作ってあるとしても(お化けが出てくる歌とかな)、歌ってる人や曲調等でかなりというか全く怖くないものになってて、恐怖を感じたことなんぞ一度もない。
「いたずらしたら鬼に食べられるよ」という警告と、「いたずらっ子はオレが砂糖ふりかけ鍋で煮て食べちゃうよ」ってな宣告では明らかに捉え方が違ってくると思うのだ。
何を思ってこんな曲にしたんだ?
誰だよ!こんな曲作ったの!
って表見たら作曲が吉田拓郎なんですけど、同姓同名の別人じゃないよな?あの拓郎さんですか?
まあいいんですけどね。
結局のところこれは「いい子にしよう」というしつけ歌の一環であると思います。
当然ですか?
うん。対象が@によって一応はいたずらっ子に限定してあるから、これはしつけ歌と断定していいでしょう。要は「我儘言ってると鬼が来るよ!」みたいな親等の叱り方を、何故か当の鬼が叫んでるみたいなもんだと思うし。
しかし何を思ってあんな直接的な調理の仕方を披露する必要があったのか?具体的すぎだ。
その上何故「ジャンケン」を用いて差別化を図ろうとするのか。同じいたずらっ子なのにとっつかまって煮られるのと逃げおおせられるのといたのじゃ罰にならんじゃないか。
それとも「逃げてもいい」と言いつつ本当は逃げられない迷宮に放してしまうとでもいうのか。恐ろしい。
とどめにそれを何故ガチャピンが歌うのか?しかもあんな怖い声をわざわざ出して。鬼の役割は歌い手として選ばれたガチャピンが担うはずだが、彼にはそういった素質があるとでもいうのか?
あるのだろう。
人間を捕まえてバリバリ食っちまう素質があるのだろう。
緑色の妖怪は元来そんなモノだったのだ。そして多分エネルギーボールに栄養を蓄積し、「ガチャピンキッド」とか叫んで正義ぶるんだ。この偽善者め!
怖いだろ?ガチャピン。やばいってこいつ。
ムックのために排斥運動をしたいと思ってきた私ですが、ここはもう人類のために抹消運動をした方がいいと思うんですがどうでしょうか。
ちなみに。
上記までの大騒ぎはおいといて聞いてください。
私はあからさまな「しつけ」の表現が嫌いです。ポンキッキに限ったことですが、なんかヤなんですよ。一応幼児教育番組なんだからしつけを題材にしたものは多く作られてましたが、なんつーかそれらのほとんどは肯定します。あからさまじゃないから。
あからさまなのが「えくぼ王子」で、えくぼ王子における「タツジンになるんだもん」が憎々しいほど大嫌いなのは知ってのとおりです。奴らは考える隙を与えないのだ。「こうするためにはどうすればいい?」ではなく「こうしやがれ」なのだ。多分。おそらく。
その観点で「たべちゃうぞ」を聞けば微妙な感じだ。
問答無用に殺られるから大人しくしよう、とある意味考える隙を与えない(笑)。
びびらせたいだけならかなり有効な歌だろう。しかししつけ歌として小技を効かせてあるから肯定します。これはすごい歌だ。
ただね。
やっぱりね。
ABあたりの歌詞がどーも納得いかんのだ。
ガチャピンよ?@でいたずら好きに限定してるが、それで我慢できずにABで無差別攻撃になってないか?夜中、暗がりの中ナマハゲ系の格好でうろうろしつつ、なんでもいいから犠牲者を探しつづける姿が私には浮かぶのだかそれでいいのか?
怖いぞ?ほんと。
ね?
こいつ撲滅しようよ。団結して。
おわり
もどる
2002年12月23日