初心に戻ってみよう!
〜ガチャピンを突き落とせ〜
私には長年の謎みたいなのが幾つかあって、その最大のものがいわゆる
「ガチャピンとムックってどこで知り合ったんだ?」
という話なんですね。
だって考えてみてくださいよ。
ガチャピンは南の島出身で、ムックは北極方面でしょ。出会いようがないもん。
で、私の勝手な憶測としては、最初2人はそれぞれの地方から空輸で日本に運ばれてきたんですよ。何故か?
日本人の未開地探検隊みたいなのがいて、そいつらが世にも奇妙な怪獣と妖怪を発見したんですな。緑の爬虫類と赤い哺乳類は二足歩行をし、日本語をあやつり、どういうわけか片方は運動能力に優れていた。連れ帰って研究してみたい気持ちにもなるだろう。
そんなこんなで早いもん勝ちを合い言葉に、彼らはこの2匹を連れ帰った。勿論、親御さんの同意の上だ。本当だよ。
だって、ムックの頭のプロペラは、彼のおじいさんが
「日本はさぞかし暑いだろうから」
ということで、扇風機の代わりにセット完了していたらしいんだもん。暑かったらプロペラ回して涼めばいいよということだ。
泣ける爺いの愛じゃないか────と思わないでもないが、それなら電池式の小さい扇風機を持たせろよ。孫の頭に機械を埋め込むたあ、とんだマッドサイエンティストだぜ。
そんなこんなで、ムックの逸話を見る限り、ガチャピンも同意の上で日本に渡ってきていると考えられる。誰かが連れ帰る以外、あの化け物たちを日本へ入国させることは不可能に近いだろう。自ら進んで上陸しようにも、パスポートとかとれそうにないし。
で、研究材料としてやってきたが、2人とも知能は人並み、異種間コミュニケーションは許されても非人道的な研究にまったがかかったのではないか?動物愛護団体あたりから。もしくは超国家的機関からの圧力かもしれない。
それで彼らは自由の身になったわけだが、この珍奇な生物をほっとくのは勿体無い。
圧力をかけた国家的機関がさらに命令をくだした。
このまま国へ帰してしまうのは惜しい。人権を与え、我々の目の届く範囲でこいつらを監視して生態系の調査をするのだ。
こうして2人は日本で出会い、生きていくための職を手にし、堂々とこの日本で生活してきたのだった。
────とかなんとか、8割方妄想の入った話なんですが、それ以外にこの生活環境の180度違う二人が出会う方法ってなさそうじゃないですか?絶対人間じゃないし、とりあえず普通にやってこれても空港の検疫でひっかかりそうだもん。
まあ出会ってるもんは出会ってんだし、よしとしよう。
次に不思議なのは、この2人、本当に仲がいいのか?ということ。
とりあえず、先ほどのムックの爺さんネタを教えてくれた方が、更に教えてくれたムック・ガチャピンのデータを並べて比較してみようと思いますよ。
・ムック
年齢:5歳(永遠に5歳のまま)
誕生日:4月2日(初めてテレビに出た日)
出身地:北極に近い島(北半球で一番綺麗な空気と氷に囲まれている。お日様の光があたると、島はキラキラ輝いて夢のよう。白熊・トナカイ・ラッコ・アザラシもいるよ)
何の子供:雪男の子供
身長・体重:185cm・110kg
性格:優しい心の持ち主。慎重なので物事を良く考えて行動する。ちょっと見かけによらないが実は花が大好き。のんびりやの食いしん坊。
趣味:(後述)
秘密:プロペラ。ムックの体を冷やして心を落ち着かせてくれる。北極生まれのムックは、暑さに耐える力がない。そんな時プロペラが回って助けてくれる。
・ガチャピン
年齢:5歳(永遠に5歳のまま)
誕生日:4月2日(初めてテレビに出た日)
出身地:南の島(南半球で一番空気と水の綺麗なところ。とても暑いけど、色とりどりの花が咲く、爽やかな風が吹く楽園。恐竜の子孫もいるよ)
何の子供:恐竜の子供
身長・体重:165cm・80kg
性格:何にでも興味を持ち、何にでも積極的。ちょっとオッチョコチョイだけどいつも元気でクヨクヨしない。食いしん坊。
趣味:いろいろなスポーツや冒険にチャレンジすること。
秘密:エネルギーボール。ガチャピンに勇気と力を与えてくれる。空を飛んだり、海に潜ったり、色々なスポーツにチャレンジするたびにエネルギーボールから大きなパワーをもらっている。
────最初の話に戻りますが、本当に2人が出会う接点ってないでしょう。
かたや北極、かたや南の島だよ。しかも南半球でって念を押すってことは、南半球においては北の島じゃん。赤道直下辺りの、よく「天国に一番近い島」と呼称されるなんとかって島らへんじゃないかと思われる。・・・あれって南だったっけ?まあいいか。
にしても恐竜って脳みそ小さいのが定説なのに、ガチャピンはかなり賢いよな。突然変異としか思えない。ムックはまあ、雪男の子供っていうくらいだから、いくらかでも人間には近いのだろうが(妖怪人間系ってことでしょ)。
秘密の話にしても、まあムックは前述の話で省くけど、ガチャピンってどうよ。大変な話だよ、あのエネルギーボール。「2100ねんガチャピンキッド」で確かにすごい力を発揮していたが日常においても行動の原動力となっているとは。恐竜って皆あんなものがついているのだろうか?まさに突然変異としか言い表しようのない不思議生物だ。
まあ、2人の体についてはいいや。
初めてテレビに出た日を誕生日としている、というのにも目をつぶろう。きっとプロフィールが必要になったとき、誰も知らなかったから適当に決定したのだろうよ。まさか生まれた瞬間5歳でそのままずっと継続、というわけじゃあるまい。サザエさん的だ。
────で結局、本当に仲良くやっていけてんのか?という話。
2人は確かに仲がいいといわれる。
「このみちどんどん」の中でも、ガチャピンが嘘くさい声で「友達だもんな〜」と言っていた。ムックもそれは許容しているフシはある。2人で行動することも多く、イギリスに旅行に行ったし、一応同い年ということも作用し、うまくやっていってはいるんだろう。喧嘩をしてるとこもあんまり見たことはない。
性格的に見るに、「優しい心の持ち主」であるところの、ムックが一歩引いてやってんのじゃないか?と勝手に考えますわ。
じゃあ仲がいいと定義。
仲のいい2人、いつもガチャピンの方がやたら露出している。
ムックが精一杯露出してもおかしくないでしょ。2人ともマスコットとして番組に出て、冒険好きの緑色と自然好きの赤色。片方だけと言わずとも、2人であちこち回ってもおかしくないのだ。
ムックに潜水やグライダーが難しいとしてパスされたとしても、アフリカに行ったり気球に乗ったりすることはできるはずだ。だって体を複雑に動かすことじゃない。行って乗ってればいいんだから。
私は以前このことについて、幼稚園児に人気があるのがガチャピンの方だから、と結論づけました。そうとしか考えられないから。
けれどもとりあえず、その結論を白紙に戻し、二人のプロフィールから再び考え直して見ましょう。────すると、すごいことが書いてあるんすよ。
趣味:自然の中で遊ぶ。美味しいものを食べる。ガチャピンのチャレンジを応援する。
・・・・・・・・・どう思います?これ。
この苦し紛れの後付け伏線のようなムックのご趣味。
大人の策略じゃん、これ。子供がこれを見たら、「なんだそうか」って納得しちゃうでしょ!公式プロフィール(らしい)なんだから!
これってあれじゃん。
ムックには何もさせることないから、とりあえずガチャピンの応援が趣味とかしときゃいじらなくてすんで楽勝、とか思った末の文章としか思えん!もしも2人の人気バランスが逆だったら、ガチャピンの方にこう書いたんじゃねえのか?大人の私としては、そんなうがった見方までしちゃうぞこんちくしょう。
要するに、アレね。
元気で積極的でいつでも周りを振り回すガキ大将タイプのガチャピンは、性格故にいろんなとこに行ったりするわけですよ。勿論ムックといるときだって、自分の意見を通しまくり、いろんな意味で振り回してるんですな。
しかし、ムックは優しいいい子で、物事を慎重に考えるタイプ。
暴走状態の緑怪獣に、やんわりとブレーキをかけてやる役割なんだ。いろんな挑戦をして褒めてほしい彼に、ムックはいつもその大きな心で、
「すごいですぞ」「大丈夫なんですか」「おお、きれいですなあ」
等、素敵な感想を述べてあげるわけだ。なんていい奴。自分の出番なんかなくても、友達をたてて持ち上げる人格は5歳にしてはかなりな発育速度だ。
これじゃあガチャピンが付け上がるのも無理ないネ。
ということで、ムックを露出させるためにはどうすればいいのか?
ちょっと考えてみましょう。
ガチャピンは性格・趣味・秘密を絶妙にブレンドして今の地位を確立しているようだ。
じゃあムックもその線でいこう。
優しい心で草花を愛し、自然の中で遊ぶというところを生かし、番組内で園芸コーナーを設けてはどうか?
それは勿論自宅でできるガーデニングから、広く一般的な意味での畑作、そして世界の草花を求めて旅立つのだ。
アルプスにしかない高山植物を求め、時には遺伝子組み替え問題に触れるためアメリカのグリーンベルトを直撃する。得意な北の地・ツンドラ地帯で夏にしか生えない苔や野草を探し出し、苦手な南のジャングルへわけいり色とりどりの奇抜な植物を採取する。
────あれ?ガチャピンがこんなことやってたっけ?
気にするな。
あと、スポーツ関係は向いてなさそうだから、よく考えて行動するとかのんびりやとかいうところを生かして、なごみ系の童話を朗読したり癒し系の映像を紹介したりするコーナーを作るとか。ガチャピンの無駄な冒険のあとに、一服の清涼剤。あたりますよ、きっと。
んで食いしん坊なところを生かして、世界各国の食卓にお邪魔。
試食試食試食で渡り歩くというのは駄目ですか。
コミュニケーションで最もいいのは食事の場。これを活用し世界各国の人間と仲良くなって、さらに各地の文化にも精通できるじゃないですか。食ってばかりのムックにあってるし、スポーツ関係なし。
これですよ。ええ。
こんなコーナーがあれば、きっとムックの露出も大きくなるはずだ。
あたればガチャピンなんて蹴落として、ムックの天下になること間違いなしだ。いつも映像の影で「すごいですぞ〜」という声しかでないなんてことはなくなる。
単独で海外にいける。
緑の妖怪を日本に残して。ここんとこ重要っすよ。
プロフィールに縛られることなく、逆に利用して露出させてやろうよ。
沖縄でおっさんからパイナップルの剥き方を「1人」で聞き出したあなたの勇姿、私は絶対に忘れませんから。
おわり