第22話   トーマスとパーシーと石炭

出演/トーマス パーシー トビー

 トーマスはいつものように支線を走っていた。とても気持ちがいい。駅につくとパーシーが話しかけてきた。
 「やあ。今日もかっこいいね!」
 トーマスは誇らしげに語る。「当たり前さ。なんたって青い色は一番機関車らしい色だからね」
 威張るトーマスにトビーは、自分は自分の茶色を気に入ってるから他の色になりたいとは思わないよと言い、パーシーも緑色が気に入ってるからそれでいいよと話した。もちろんトーマスは不機嫌になる。
 「でも青い色は役に立つ機関車の色なんだよ!ふん!」
 トーマスはぷりぷり怒って行ってしまった。二人はそれを見てくすくす笑いあった。
 さて、トーマスが休んでいるとパーシーがホッパーから石炭を積みにやってきた。相変わらずトーマスは性格が悪い。
 「気をつけろよパーシー!この馬鹿な貨車たちは何をしでかすかわからないぞ」
 貨車たちは言い返した。
 パーシーは貨車にひどく押され車止めにぶつかると、ホッパーから大量の石炭が落ちてきて山を作りトーマスのボディは見るも無残に真っ黒になってしまった。パーシーはそれを見て心配だったが笑ってしまった。
 「ああ、そんなのになってしまったら、もう役に立つ機関車じゃなくなっちゃうね」
 「パーシー!君はわざとやったんだな。早くここから出してくれ!!」
 ────結局トーマスの掃除に時間がかかり、午後の便はトビーが代わりにアニーとクララベルを引いて行くことになった。「可哀想なトーマス」とアニーが囁く。
 その日の夜、トーマスはパーシーを責めた。あの事故は君の責任じゃないかと。
 パーシーの方は「トーマスが貨車を馬鹿にするからいけないんじゃないか」と反論。それを見ていたトビーはおかしくて笑っていた。
 さて次の日、パーシーはすごく重い貨車を引いて疲れていた。それを見たトーマスは少し気が晴れた。
 喉が渇いたのでパーシーは給水塔に向かった。実はそこの車止めは壊れかかっていたのだ。彼はそれを近づいてから知り、間に合わずに車止めを突っ切ってその先にある石炭の山に埋もれてしまった。
 トーマスはそれを全部見ていた。
 「ふふふ。パーシーもこれで一つ賢くなっただろう」
 その夜、二人は仲直りをした。
 「僕はわざとあの事故を起こしたわけじゃないんだ。わかってくれるだろう?トーマス」
 「うん。僕の方もからかったりしてごめんね。君の緑色のボディもなかなか素敵だよ」
 「二人とももっと石炭に気をつけなくっちゃね」

[総評]たまには和やかな事故の話。
 っていうか、私は「自分のボディが一番素敵」と自信満々な彼らがすごいと思うんですけど。あと、トビーってやっぱ古いだけあって大人だよね。


第23話   線路の牛

出演/ゴードン ヘンリー エドワード トビー パーシー

 頑張り屋のエドワードはこの先にトラブルが待っているとも知らず市場に向かって夢中で走っていた。少し古くなっている彼の車輪は走るとぎしぎし言い、貨車を急がせると貨車たちもぎしぎしと言っていた。
 線路脇には草を食べている牛たちがいる。牛は機関車に慣れてなく、音と煙に驚いて柵を突き破り貨車にあたってしまった。連結が壊れ幾つかの貨車が取り残されてしまった。
 エドワードは少しがちゃんと音がしたが気にとめなかった。事故に気づいたのは次の駅についてからだ。ゴードンとヘンリーがそれを聞いて馬鹿にした。
 「牛に貨車をちょんぎられるとはな、エドワード!わしたちならそんなことはさせんぞ」
 トビーが口を挟んだ。
 「あの事故は避けられなかったと思うよ!君たちは牛に会ったことがないから知らないんだ。牛はとても厄介なんだよ」
 何日かして、ゴードンが走っていると線路の上に牛がいて立ち往生する羽目になってしまった。ヘンリーも逆側からやってきたが、牛を跳ね飛ばしていくわけにもいかず、帰っていってしまった。
 どこの牛なのだろうか?実はその牛はブルーベルと言い、子供が見つからなくて悲しがっていたのだ。駅からの情報で今子牛を預かっていると聞き、パーシーが子牛を連れて現場まで走ることになった。
 ブルーベルも元気になり線路からどいてくれた。
 ゴードンとヘンリーは今回の件は秘密にしようと話し合った。自分たちが馬鹿みたいに思えたからだ。が、すぐに噂は広まってしまった。
 もちろんエドワードは二人をからかった。
 「大きな機関車がそろいもそろって牛を怖がるとはね」
 「怖がってなんかないさ。牛を怪我させないようにしたんだよ。俺の言ってる意味がわかるか?エドワード」
 「ああ、わかるよ。ゴードン」
 エドワードは言って笑ったが、ゴードンは何もかも見透かされていると思った。

[総評]よく牛を跳ね飛ばすことなく止まることができたと思いませんか?機関士たちの技なのか、視界が広すぎるから異物を発見するのが早かったのか。・・・そんなことより、エドワードの貨車にぶつかった牛って死ななかったんですかね? 


第24話   追いかけるバーティー

出演/バーティー トーマス エドワード

 エドワードはトーマスを待っていた。
 いつもはこんなに待たせないのにどうしたんだろう?とエドワード。車掌は「♪一体どうしたことだろう。ジョニーはずっと待っていた」とか歌いだす始末。
 「ははは、ジョニーの心配はいいから、屋根に登ってトーマスを探してくれよ」
 車掌が屋根にのってトーマスを探すと、バーティーが猛スピードで走ってくるのが見えた。けれども、まあそれは自分たちには関係ない。これ以上待てないので出発することにした。
 実は、バーティーはトーマスの機関助手が休みで出発できなかったので、代わりにお客を運んできていたのだ。
 「やれやれ困ったなあ。トーマスのお客を運ぶ約束するんじゃなかったなあ」
 「仕方ないさ。約束は約束さ」
 「よし。んじゃ壊れるまで走って追いついてやるぞ」
 エドワードの出発には間に合わなかったが、約束したんだからとエドワードを追いかけることにした。
 一度エドワードは停止信号で止まった。追いつけるかと頑張ったが駄目で、バーティーは謝った。
 「・・・ごめんなさいみなさん」
 「次頑張ればいいさ!頑張ってくれよ」
 「運転手さん、次の駅には間に合うわよね?」
 「もちろん。やってみましょう」
 乗客に励まされ再び走り出す。
 彼は丘を登るのは得意なのでそこで距離をつめ、なんとか次の駅でエドワードの出発直前に間に合うことが出来た。そこで何があったのかを説明してもらい、エドワードは謝った。
 「いや、僕が連絡駅で遅れたせいなんだ。君は何も知らなかったんだから仕方ないよ」
バーティーは言って、全てうまくいったことを報告するために急いで戻ることにした。
 トーマスは話を聞き、「君は本当にすばらしい友達だよ!」と言ったとか。

[総評]・・・バーティーの本来の仕事はどうなってんの?


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