第10話   ジェームスの嬉しい日

出演/ジェームス ゴードン 

 まだジェームスは靴紐事件をひきずっている。
 といっても、ゴードンたちがそれをネタにしては彼をからかう、ということにおいてなんだが。その筆頭となるのは我らがゴードンで、自分みたいな大型機関車はとても偉くその上自分こそが唯一急行列車を引けるのだと自惚れていた。
 ある一日、今日も元気にゴードンは急行を引くために駅へやってくる。
 オレの勇姿を見てろと言わんばかりに出発したまではよかったのだが────あろうことか信号手が路線の切り替えを間違ってしまったのだ!!
 勿論ゴードンはそんなこと知らないから気分よく走っていたのだが、間違って環状線に迷い込みそのまま出発した駅に帰ってきてしまう。
 客は大いに怒り、ゴードンはすごすごと機関庫かどっかに戻された。
 とゆうことで急遽ジェームスが代わりに急行を引くことになったのだ。そりゃもうジェームスは大喜びさ。
 彼は立派に仕事をやってのけ、ハット卿はそれを誉めた。
 ゴードンは誰にでも失敗はあるさ、ということに気づきジェームスと親友になったということです。
 そしてもう、靴紐のことは言わなくなった。

[総評]何がすごいって信号手がすごいと思いませんか?間違って急行列車を環状線にいれるか?普通。そして罰せられるのはゴードンなのか?彼は被害者なのではないか?まあ、多分に自惚れているからたまにはこーいう話も必要なんだろうが。


第11話   とりのこされた車掌

出演/トーマス
   ヘンリー

 トーマスは自分の支線に誇りを持っている。
 景色も好きだし自分がここを維持してるというプライドもあるんだろうが、そーいうわけで連絡駅とかで遅くやってくる他の機関車にひどく腹が立つらしい。だって遅く来るということは自分の出発も遅くなるということだし、そうなるとお客に迷惑をかけひいてはハット卿に怒られるかもしんないじゃん。
 その日、ヘンリーが遅くて彼は待ちくたびれていた。
 なにやら言い訳をしながらヘンリーがやってき、トーマスはイライラしながら文句言いつつ急いで出発した。早くしなけりゃならんのだ。
 が。
 客車のクララベルが泣きながら訴えてきた。
 「トーマス、車掌さんがいないわ!止まってよトーマス!」
 クララベルもそれに気づいて一緒に呼びかけたが、走ることに集中してるし風もあってトーマスにその声は届かなかった。
 走りつづけていたら信号が赤になっていたので止まる。機関士も何があったのかわからず、トーマスと「そのうち車掌が連絡してくれるだろう」と呑気に構えていたがいくら待っても車掌はこない。どうしてだ?と思っていたらクララベルが泣きながら
 「車掌さんはこないわよー!置いてきちゃったんだからー」
と訴えてきた。なにい?!と思うがもう遅い。
 車掌はひーひー言いながら走って追ってきて、「やっと追いついた」とか言いつつ赤い顔をして水を一杯飲んだのだった・・・。

[総評]やはりすごいというか変なのは車掌でしょう。なんで走ってくんの?車はないの?車とは言わんがチャリくらい乗ってもバチはあたらんのでは?という疑問いっぱいの話なんですけどね。
 私がソドウ島の人間が妙だと思い始めた発端となる記念すべき話のはずです。


第12話   トーマスと魚釣り

出演/トーマス
   ジェームス

 トーマスは川を眺めるのが好きだ。支線には川の流れているところがあって、そこでよく釣りをしている光景を目撃するのだ。釣りをしてみたいなあとこぼすと、他の機関車たちは「機関車は釣りなんかしない」と言い切りトーマスをバカにするのだが彼の夢はとめどない。
 さて、そんなある日長旅をし喉がからからになったトーマスは給水塔にきたのだが不幸なことにそこは壊れていた。喉が渇いて死にそうなトーマスはその先の川から水を汲んでタンクにいれることになった。
 機関士たちはバケツを川に入れそれを紐で引き上げて水を汲んでいった。そのバケツには穴が五つもあいていたので時間はかかったがなんとかいっぱい汲むことが出来た。
 が。
 走っていたトーマスが唐突に腹痛に苦しみだした。ボイラーが痛いのだ。死にそうに痛いのだ。
 慌てて待避線にうつし中を覗くと、機関士たちは笑い出した。ハット卿もやって来て中を覗く。なんのことはない、タンクの中にはたくさんの魚が入っていたのだ。
 そこで彼らはトーマスのタンクから魚を釣ることにした。
 そしてその場で魚とポテトのフライを作ってピクニックとしゃれこんだのだった────。
 「トーマス、魚釣りをした感想はどうだった」
 「もうこりごりです。やっぱり機関車は魚釣りをするものじゃないですね」
 ほんとに彼はこりごりだった。
 

[総評]この話においてつっこみどころは数え切れないが、中でもここだけは指摘しとかなきゃならんと思うのは、おまえらタンクに水いれるときに魚の存在に気づかんかったんかい!ということだな。
 バケツの穴は多めにみよう。それしかなかったんだろう。魚釣りしたのもタンクから出すためと思えばこらえよう。ピクニックも・・・まあ、おかしいけど許す。けどさ、この事件の原因って「バケツで魚釣った機関士とか」じやないのか?トーマスが責められることなのか?
 いくらくみ上げた水が濁っていたとしても、持ち上げるまで水は抜けるしいれるときはさすがにわかるだろ。小さいバケツ使ってんだからよ。
 まあ、そんな感じですわ。

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