第1話   トーマスとゴードン

出演/トーマス ゴードン

 記念すべき第一回目。ということで、いやに出演者が少ないのも特徴だろう。
 ハット卿の鉄道で働くタンク機関車トーマスの主な仕事は客車や貨車を集めてまわることで、鉄道の中で自分が一番の働き者だと錯覚している。イタズラが好きでよくみんなをからかったりもする。
 急行を引いてきて今から寝ようとしているゴードンに、彼はちょっかいを出して走り去る。勿論ゴードンは怒ったさ。「いつか仕返ししてやるぞ」ってね。
 ある日トーマスは遅刻し、慌てて客車を集めた。ゴードン的には仕返しするチャンスだ。
 自分と客車を連結し、トーマスが連結を外す前に出発したのだ。トーマスは今まで走ったことのない速さで引っ張りまわされくたくたになってしまう。
 「・・・あーあ仕返しされちゃったよ・・・いまさらゴードンとやりあっても仕方ないか・・・」
 夕暮れの中、トーマスはとぼとぼと帰途につくのだった。


[総評]主役のトーマス、これからライバルでありよき友となる大型機関車の関係が見事に描かれ、第1話としてふさわしいものだろう。絶対。


第2話   エドワードのおてがら

出演/エドワード ゴードン

 どんなにエドワードがいいヤツかを最初からひけらかす回。
 エドワードは働き者で親切で、機関士は勿論客車も彼が引っ張ることで大喜びしたほどだ。あの貨車たちも彼の言うことなら大概のことは聞く。大体貨車を押して回ることが好きだというくらいだから、その性格の良さもうかがえよう。それくらいできたヤツなのだ。
 ある日、ゴードンが嫌々ながら貨車を引くことになった。汚い貨車を引っ張るのは大型機関車のやることじゃないといういつもの持論があるから変なことしたんだろう。貨車たちは丘の真ん中で登らせないように力をいれ、そのまま丘の中腹で立ち往生する羽目になってしまった。
 その時現れたのが、我らがエドワード。
 「エドワードが押したって無理さ」という態度のゴードンの後ろにつき、貨車を押す。力を合わせ頑張って丘を登りきった。ゴードンは登れた嬉しさに礼も言わずにすっ飛ばしていってしまう。
 ちょっとムカついたが「まあいいか。いいことしたしな」と納得し、給水塔にいくと機関士たちが待っていた。
 「頑張ったな。明日ペンキを塗り替えてやろう。かっこよくなるぞ」
 エドワードは大喜びした。

 ちなみに、今後この丘のことを「ゴードンの丘」と呼ぶことになる。


[総評]エドワード超かっこいい!!という話。エドワードの人柄と、大型機関車のいばりぶりがよく描かれている。また今後よくでてくる「ゴードンの丘」を紹介する意味でも、この話は極めて重要な位置につくのではないか。


第3話   でてこいヘンリー

出演/ヘンリー
   トーマス エドワード ゴードン

 雨を嫌がるヘンリーの話。そして、シリーズ終盤までひきずることになる恥ずかしい話でもある。
 雨の降る中客車を引っ張っていたヘンリー、トンネルに差し掛かるとそれっきり出てこなくなってしまった。
 機関士たちが理由を尋ねると、
 「雨にぬれると僕の緑のかっこいいボディーや赤のストライプが汚くなっちゃうじゃないか」
というもの。そりゃすごい理由だ。
 たまたま乗っていた鉄道の支配人・トップハムハット卿も出てきて台の上から説教するが聞く耳を持たない。乗客にも手伝わせて押したり引いたりしてみたがそれでも動かない。勿論ハット卿は協力しない。なんか腰が痛いからとかそんなどう考えても嘘の理由だったな。
 で。
 ハット卿はいい加減キレて、
 「そんなにトンネルが好きならずっとそこにいるがいい!!」
と怒鳴り、トンネルの前にレンガ塀を築かせ、線路もとっぱらい、中に閉じ込めてしまう。ヘンリーは当初、「雨に濡れないならいいさ」と言っていたが、通り過ぎる仲間たちはからかっていくし、トンネルの中で煤に汚れてしまっても誰も掃除をしてくれない。
 「・・・なんであんなバカなことをしちゃったんだろう・・・」
今では反省しているヘンリー、いつトンネルからでてこれるんだろうか────?


[総評]これも今後連綿と続く「雨が怖いヘンリー」という悪口の元となる話で重要であることは間違いない。また、当初イメージとして定着するハット卿の「ただの金持ちの我侭おっさん」の姿を見られる貴重な回でもある。
 ────そして、大型機関車の我侭ぶりの最たるモノとして語り継がれるべきものになるはずだ。
 


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